肯定的な回答を述べた若者もいたが…
もちろん、肯定的な回答もいくつかありました。
○肯定的な回答
「やりがいはありそう」
「かっこいい」
「どんなに忙しくても達成感が感じられそうなので憧れ」
このような意見を述べた人もいましたが、今回の調査では、それは少数にとどまりました。
彼らが語ったテレビ局のイメージを一言で要約するならば、「ブラックで落ち目な、斜陽産業」といったところでしょうか。今回の結果を見て、私自身も「これでは就職先としての人気が低迷してしまうのも当然だな」と思った次第です。近年では、働き方改革も進められていますから、残業時間の多さなどについては、以前よりも改善しているとは思いますが、一度ついてしまったブラックなイメージは、簡単には変わらないようです。
またこの調査を行った際に、「普段、テレビとネット動画のどちらを見ているか」という質問もしてみましたが、やはり「ネット動画」を挙げる人がほとんどでした。中には「テレビを持っていない」という人もいました。ちなみに、その理由は「テレビを置くとNHKが来るから」でした。
今や20代の約3割が、放送局の提供するコンテンツには一切触れない、という生活を送っています。また、一人暮らしをしている20代の4人に1人はテレビを持っていません。彼らは、普段テレビを見ておらず、自宅にテレビを置いてさえいないのですから、就職先としてテレビ局に興味を持てないのは、当然のことなのかもしれません。今後、テレビ離れにともなって、テレビ局の採用活動もますます厳しくなっていくと予想されます。
テレビ局にとっては、視聴者の「テレビ離れ」は深刻な問題ですが、学生の就職先としての「テレビ離れ」も進んでおり、こちらもかなり深刻です。今や人材の採用難はテレビ業界の経営課題にさえなっているのです。