就活の時、「こんな見た目の自分はダメだよね」と…

――自分で眼帯を作るようになったのも、ファッション的な欲求から?

あやか 母親と話してて、「あんたファッション好きだし、そうやって眼帯毎日貼るんだったら、今のコーデと同じ感じの眼帯を作ったら?」って言われて、「私、それやる!」って。それで12年前くらいから作りはじめました。

 ゆくゆくはブランドを立ち上げて、眼帯だけじゃなく、医療にかかわるグッズでファッション性の高いものをいっぱい作って発信していけたらなと思うんですけど、まだそこは試行錯誤中です。

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――一方で、病気をすると、そんなつもりはないのに、自ら“病人”らしく振る舞ってしまうことってないですか。

あやか 別に病気してても治療に差し支えないなら厚化粧してもいいはずなんですけど、なんか病人っぽくしちゃうんですよね。それ以外でも、「病気だから無理。できない」で終わらせちゃったり。

 私も就活の時、「こんな見た目の自分はダメだよね」みたいに思ったこともあります。

名古屋に出たら「目、どうしたの?」って聞かれるように

――就職活動で、見た目が影響した?

あやか ファッションが好きなのでアパレルを受けてたんですけど、まだ当時は多様性の時代とかではなかったので、言い方は悪いけど、見た目で毛嫌いされたんですよね。

――それは、アパレル店員として眼帯はそぐわない、ということ?

あやか 直球で言われるわけじゃなくて、「その眼帯、いつ外せますか?」みたいに聞かれて。一時的な病気ではないので外せないこと、病気を持ちながらも前向きにおしゃれを楽しむ意味で眼帯をしていることなんかも説明するんですけど、「眼帯いつ外せますか」って聞いてくる会社は大体、不採用でしたね。

 見た目重視の商売だからわかる面もある一方で、「ん? なんで?」って納得できないこともありました。

 

――就職に苦労したことで、病気を呪うような気持ちになったことも?

あやか 障害のあるなしだけが採用基準ではないでしょうし、私自身とその会社がマッチしなかっただけってこともあると思うんですけど、どうしてもハンデがあるとそっちに逃げがちというか、「どうせ私は病気だから」「見た目がこんなだから」って思ってしまうのはありましたね。でもそれは言い訳でしかないんですけど。

 あと、就活含め、田舎から名古屋に出てはじめて、「眼帯どうしたの?」「目、どうしたの?」って聞かれるようになったことで、そこからはっきりと、「私、人と違うんだ」って自覚させられました。