「おめめ、どうしたの?」「なんで目に何か貼っているの?」

――人から見た目について尋ねられたり見られたりするのはストレスじゃないですか。

あやか ストレスはそんなに感じていないです。むしろ“あやか”という存在を知ってもらえるよう、親身になって質問してくださる方には包み隠さず素直に答えています。たまに冗談を言って和ませてくれる方もいて、そういう方からは自信や勇気をもらっています。

 でも実際にはいろんな方がいて、中には聞いてきたのに適当な反応で終わる方もいて。きっとその場のノリや勢いもあるので仕方ないんですが、その場合はごめんなさいと思いつつ、答えを濁してしまうこともあります。

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――年代や性別で反応に差はありますか。

あやか 子どもは素直でストレートに「おめめ、どうしたの?」「なんで目に何か貼っているの?」などど聞いてきます。子どもに対してうまく説明するのは難しいんですが、子どもは子どもなりに理解してくれるので、正直に話すようにしています。

 あとどちらかと言えば、面と向かって聞いてくるのは男性や年配の女性の方が多いかなと思います。

――男性が苦手になるようなことはなかったですか。

あやか 本当に人によるので、男性だからダメ、みたいなことはないです。ただ、恋愛については、「私を隣に置きたくないよな」って、つい卑屈になってしまいますね。

 たとえお付き合いしたとしても、頭のどこかで「本当に私でいいのかな?」って思っちゃうだろうなって。でも結局、それって病気を言い訳にして逃げているような気もするし……難しいです。

 また戻りますけど、田舎では普通に受け入れられてきたので、大人になって広い社会に出て、社会の厳しさに直面したな、って思います。

 

補助金は「届くようにしてほしい」じゃなく「しなきゃいけない」

――長く治療を続ける中で、日本の医療制度について感じることはありますか。

あやか 片目失明だと手帳はもらえないみたいで、単純に「なんで?」って思います。

 私は生まれた頃から片目だけで生きてきた人間で、それが“普通”だと思っているので障害者手帳がなくても問題ないんですけど、突然、事故や病気で片目になった人からしたら、日常生活に支障しかないですよね。今、バリアフリーとかって言ってるんですけど、なんかちょっと違くない?とは思います。

 補助金ももっと考えて欲しいなって思うことがよくあるので、必要な人に届くようにしなきゃいけない。「届くようにしてほしい」じゃなく、「しなきゃいけない」と思います。