生まれつき顔の左側の骨が成長しない「左顔面骨形成不全症」のあやかさん。病気の影響で左目の視力はほとんどなく、左耳も聞こえにくい。金具で顔の骨を伸ばたり、顔に脂肪移植するなど、数十回手術を繰り返す中、ギャルに憧れていたあやかさんは、“おしゃれ眼帯”を自作することでギャルメイクも楽しむ術を編み出した。

 そんなあやかさんに、普段の生活から治療のこと、また、病気を持った人が社会で生きることについて、話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む

あやかさん 

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「思いっきりギャルメイクできるかも」おしゃれな眼帯を手作り

――今日している眼帯は手作りですか?

あやかさん(以降、あやか) そうです。もう何百枚と作ってるかな。

――レースやビジューが付いてたり、おしゃれですよね。紐がない眼帯ですけど、どうやってつけているんですか?

あやか 私も最初は紐付きの普通の眼帯をしていたんですけど、邪魔だし、せっかく化粧しても紐で隠れちゃうのが嫌で、四角いガーゼをテープで貼ればよくない?と気がついて、それからはテープで貼ってます。

眼帯をしながらギャルメイクを楽しんでいたあやかさん

――前回、ギャルに憧れていたというお話がありました。化粧というのは、ギャルメイクのこと?

あやか ですです。私が思春期の時はギャルがすごい流行ってたんですけど、『egg』や『Ranzuki』、『小悪魔ageha』とかを田舎町で読み漁っていました。でも、ギャルメイクするにも、顔の病気で左側をメイクするのは限界があったんですね。

 たまたまそのタイミングで手術することがあって、左目にガーゼを貼ってもらったことがあって。で、その時、「あ、このまま片目だけ眼帯をしてれば、左右のバランスも気にせず思いっきりギャルメイクできるかも」って閃いたのが、眼帯をはじめたきっかけなんです。

あやかさんが作っているおしゃれ眼帯

――あ、では医学的にというより、「左顔面骨形成不全症」のままメイクを楽しむために眼帯をするようになったということ?

あやか 正直、あんまり公では言いたくなかったんで、周りには「日焼けしちゃいけないから」とか「感染しちゃいけないから」とかって言ってたんですよ。でも、本当はメイクしたいからっていう気持ちが何より強かったです(笑)。

 目が左右同じじゃないので、つけまつげが合わないとかカラコンを入れられないとか、そういうところで限界を感じていたんですけど、眼帯をしたことで全部それがクリアになったんで、一気にメイクが楽しくなりましたね。