「私は英語がしゃべれなくて…」インバウンド客を乗せる時の対応方法
――中島さん自身が、タクシードライバーとして気をつけていることって。
中島 事故を起こさないことですね。もう、基本の基本なんですけど。表参道や神宮前とか、都心のちょっとした路地に入ると信号のない横断歩道がけっこうあって、通行人の方が途切れないんですよ。そういうところは、細心の注意を払わないと人にぶつかりそうになっちゃうので。
――みんな、車のことを気にせずにガンガン渡りますもんね。車が進めなすぎて、渋滞が発生するんじゃないのかと思うときがあります。
中島 歩行者優先なので、絶対に人が途絶えるまで待たなきゃいけないです。でも、それを待ってたら「一生、進めないんじゃないか?」ってところもあるので、大変ではありますね。まあ、車に乗らない人は、そのあたりがわかりにくいでしょうし。歩行者よりも自転車が怖いですね。
――インバウンドの客も多いと思いますが、言葉はどう対応していますか。
中島 海外からのお客さまは、むちゃくちゃありがたいです。でも、私は英語がしゃべれなくて。「I can’t speak English. Sorry.」と言ったあと、無言になってしまいがちですね。
お客さまがスマホの翻訳アプリを使ってくれたり、グーグルマップで目的地を見せてくれたりするので、助かっています。
「ちょっと親はキツいです」『ザ・ノンフィクション』で密着取材され…
――インバウンドに合わせて白タクも増えたり、タクシーをつかまえるのが難しくなっていますけど。
中島 白タクは、ちょっとわからないですね。「つかまんない」って言われて、「たしかに、そうかも」と思いながらも空車で走ってたりして(笑)。赤坂とか都心はつかまらないと思うんですけど、練馬あたりだったらぜんぜんつかまります。場所によるんじゃないですかね。
――芸能活動がタクシードライバーの仕事に活きていると感じます?
中島 ほぼほぼタクシーに活きてます。芸能もタクシーもやっていたから、フジテレビの『ザ・ノンフィクション』で密着取材していただいたし。テレビ東京の『タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!』にも出させてもらったし。
二足のわらじじゃないですけど、変わった人がいるということで取り上げていただくことが多くなってきたので、“タクシー様様”だなって。
『ザ・ノンフィクション』では、番組の方から「親にも出てほしい」って言われて。母にはタクシーをやっていると教えていたんですけど、父親にはタクシーやってることを黙ってたので「ちょっと親はキツいです」と言ってたんですけど、そのタイミングでカミングアウトできたというか。それで父親に打ち明けて、オンエアもされたことで、私がなにをしているかを映像でさらに理解してもらうことができましたね。
接客に関しては、百貨店でのアパレル販売や、パチンコ屋さんのコーヒーワゴンをやっていたので基礎ができているのではないかと。

