「普通に男性と会ったら、デートして解散したあと…」なぜあぐさんはハプバーにハマったのか

――異性と出会う方法はいろいろあると思いますが、なぜあぐさんはハプバーに魅力を感じたのでしょうか?

あぐ 一期一会の出会いがよかったんですよね。普通に男性と会ったら、デートして解散したあと「今日はありがとう」ってわざわざLINEしなくちゃいけないじゃないですか。

 でもハプバーなら、男性と会うのに連絡を取り合わなくていいし、スケジュールを相手に合わせなくていいから、気が楽でした。

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――そもそもハプバーはどんな場所なのですか。

あぐ 基本的には男女が集まるバーですね。そこで集まった男女の中でハプニングが起きて、専用の部屋に移動して性的な行為があるって感じです。

――お店にはどんな人がいるのでしょう。

あぐ お店によりますね。男性もいるし女性もいるし、年齢もバラバラです。

――来てるのは若い人だけじゃない?

あぐ 私が行っていたお店には、見た感じ50代ぐらいの男女が来てることもありましたよ。ただ、店によっては年齢制限があるところもあります。

あぐさんはハプバーのスタッフとして働いていた経験を持つ ©細田忠/文藝春秋

「連絡先交換禁止の店舗がほとんど」ハプバーの意外なルールとは?

――皆さん、どんな理由でハプバーに来るんですか?

あぐ 人には言えない変わった性癖を持った方はもちろん、私みたいにセックスレスに悩んでる人とか、今までいろんな人としてきたけど、あまり気持ちいいと思ったことがない、という悩みを持ってる人もいました。

 でも処女や童貞の方がお店にいたこともあったので、性経験が豊富な人ばかりが来る、というわけでもないと思います。

 あとは、シンプルに出会いを求めてる人もいましたね。毎日職場と家の往復だから、新しい出会いがほしいとか。

――お店に行ったら必ず行為をしないといけない?

あぐ そういうわけではないです。いつも来る人の中には、誰とも行為をせずにお酒を飲むだけ、みたいな人もいましたね。タイプの異性が来た時だけセックスする、みたいな人もいましたし。

――皆さん、お酒を飲みながらどんな話をするんですか?

あぐ 暗黙のルールとして、あまり個人情報を聞いちゃいけない、というのがあります。初めての方は、「どこから来たの?」「何の仕事してるの?」みたいな話をしがちなんですけど、そういう話は相手もいい気がしないというか。自分が勝手に喋る分にはいいんですけど、相手には聞かないのがマナーですね。

 だから基本的には、好きな体位とか性癖の話をしています。性的な行為をしたい人は、そこのすり合わせが一番重要なので(笑)。

――じゃあ連絡先を聞くのもNG?

あぐ 連絡先交換禁止の店舗がほとんどなので、必然的に、客同士が恋愛関係になることもないです。やっぱり男女の問題になると当事者同士が傷つく結果になってしまうし、お店の外でトラブルが起こった時にスタッフが対応できなくなってしまうので。