「週刊文春 電子版」で連載が始まった「陰謀論の研究」。第5回では俳優の高知東生(60)が取材に応じた。
高知東生が語る“陰謀論者になるまで”
「僕の場合は、たった一言のおかげで救われました」
晴れやかな笑顔でそう話す高知。2016年6月に覚醒剤取締法違反などの容疑で逮捕され、後に執行猶予付きの有罪判決を受けた。
「僕は当時、自分の話が伝わらない奴は『あ、こいつら駄目だ』って切り捨てて、話の合う人間だけを選んで生きていたんです。でもそうして築き上げた偏った人間関係は、いざ僕が逮捕されたらほとんどいなくなって連絡もブロックされた。そして人間不信になって、誰にも相談できない孤立を自分で作り上げていました」(高知)
そんな中、依存症からの回復を目指す自助グループの中に少しずつ居場所を見出し、自分でも「視野を広げて生き直そう」と思い始めた。社会に関わって生きていこうと思う中で、それまで関心のなかった社会情勢や政治のことを学び始めようとSNSやYouTubeなどを見始めたという。それが、陰謀論にハマるきっかけだった。
現在配信中の「週刊文春 電子版」ではYouTubeなどの動画にのめり込んでいく様子、“フィルターバブル”に気づいたきっかけ、高知を救った“ある一言”など陰謀論からの“生還”の体験談を明かしている。

