恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シーズン4に参加し、現在はタレントとして活動するシンディ(本名:桑原茉萌/くわばらまほ)。

『バチェラー』出演と卵巣腫瘍の手術を終えて、芸能活動の今後に悩んだ彼女は、出会った一般男性とともに世界一周旅行へと旅立つ。帰国した彼女が得たもの、そして失ったものとは?(全7回の7回目/最初から読む

シンディこと桑原茉萌さん 写真=深野未季/文藝春秋

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――世界一周に出る前に、彼の存在を公表されましたね。

シンディ いわゆる“港区女子”たちは高いご飯屋さんやホテルの画像をSNSにアップしてるけど、「これって一体誰が撮ってるの?」という疑問が湧くじゃないですか(笑)。

 私はファンには正直にありたいし、誰が撮ってるのかわからない旅をしたくなかったから、きちんとした彼氏を先に発表することで、クリアにしたんです。彼は私に一目惚れしてくれて、さっきの条件を全部承諾したうえで、お付き合いを申し込んでくれました。

世界一周旅行中のシンディさん(本人提供)

誰でも真似できるような「バックパックを担いだすっぴん旅」へ

――出発前にどんな準備をされましたか。

シンディ 私と彼でそれぞれ300万円用意しました。さらに、「世界一周を応援したい」と言ってくれるファンの方がいたので、クラウドファンディングを立ち上げたら300万円が集まりました。この合計900万円の資金を手に1年間、ルートも決めずに30カ国を2人で自由に旅してきたんです。

 私がキラキラしているのは外見だけ、中身は雑草根性なので、「バックパックを担いだすっぴん旅」を選びました。キラキラした旅もやろうと思えばできるけど、今の私に必要なのは地に足のついた力強い旅、誰でも真似しようと思えばできる旅をしたかったんです。

本人提供

――ルートを決めずに。

シンディ 私は1から100までスケジュールを細かく決めるのが大好き、彼は何も決めず導かれた方向に行くのが好き。最初は何回も喧嘩しました。この景色は見逃したくないっていう私と、決められた旅をしたくない彼で。

 別れの危機は何回もありましたが、相手の要望を受け入れることも大事だと思ったので、彼の流れに乗ったんですよ。これまでの私は全てを決めなきゃ納得しなかったけど、自由というかゼロの位置に戻ってみたかった。

 芸能活動を志したのも、「祖父に薦められたから」「両親に注目されたかったから」。そこを取り除いた“桑原茉萌”は本当は何をしたかったんだろう——この旅はそういう自分自身を見つめ直す時間にしようと思っていました。