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なぜ小室圭さんの個人的な問題が、取り沙汰されるのか

 最後に、なぜ眞子内親王のお相手である小室圭さんのキャラクターや個人的な問題が、これほどまでにマスメディアによって取り沙汰されているのか、あらためて考えてみたい。皇族の結婚報道の転機となり、「恋愛」と言われた明仁皇太子と正田美智子さんの結婚とその後の家庭生活は、二人の子どもである浩宮徳仁親王・礼宮文仁親王・紀宮清子内親王に大きな影響を与えたのではないだろうか。つまり、「ミッチー・ブーム」の系譜が、どのように現代に受け継がれているかを考察することは非常に興味深い。

1989年9月12日、記者会見での礼宮文仁親王と川嶋紀子さん ©時事通信社

 明仁皇太子と美智子皇太子妃は、戦後の象徴天皇制下での「恋愛結婚」に先鞭をつけたとも言えるのだが、周囲の期待に比して、浩宮や紀宮の結婚はやや遅れることとなり、かたや「長い春」を経た礼宮と川嶋紀子さんの婚約は、イギリス・オックスフォード大留学からの一時帰国中、昭和天皇の喪中にもかかわらず発表されるという事態になった。それは結果として、皇族の「恋愛結婚」の難しさを浮き彫りにしたのではないか。

2017年8月、「高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された眞子さま ©JMPA

 そして、秋篠宮家の長女である眞子内親王も、「ミッチー・ブーム」の系譜に連なる一人だろう。戦後直後のような、旧家同士の結婚ではなく、「恋愛」によって「お相手」となった人物だからこそ、小室圭さんにまつわる様々な事柄が、過剰とも言えるほど国民の関心を集め、マスメディアの報道も今なお過熱しているという見方ができる。また、小室家に対するバッシングの中には、どこか旧来的な「家と家との結婚」を是とする意識が根底にあるのではないだろうか。そうしたズレが生んだ事態とも言える。

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小室圭さん ©JMPA

 眞子内親王の父である秋篠宮文仁親王は、2年のオックスフォード大への留学中に、婚約内定記者会見を行った。小室圭さんは、8月にアメリカ・ニューヨークのフォーダム大ロースクールに入学する予定で、計3年間学ぶことを希望しているという。アメリカ留学を前に、結婚について、どのような思いを抱いているのだろうか。