ひめにぃ様 撮影していて危ないことは、めっちゃありますね。秋葉原へ1回撮影しに行ったときにいきなり男に殴られて。

インタビュー中のひめにぃ様 ©橋本篤/文藝春秋

――知らない人に?

ひめにぃ様 そうです。Vlogチックな感じの動画を撮ってて、自分が映ったと勘違いしたみたいで、遠くからいきなり来て殴られて。あとは酔っ払いに絡まれるとかはありますね。

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――ナンパ企画で話しかけてきた人に、女装とバレて怒られたりすることは?

ひめにぃ様 こういう時代なんで、それで怒られたりはないですね。ただ、逆に「YouTubeなんでしょ」みたいな感じで言ってくる人は多かったり。ナンパした結果「男かよ」って思っても、本人としては負けた気がして言えないんだと思います。「騙された俺、かっこ悪い」みたいな。

昔より「批判コメント」が少なくなった

――女装を投稿し始めた9年前と比べると「時代が変わってきたな」と感じることはありますか?

ひめにぃ様 昔は「なんで女装してるの?」みたいな批判的なコメントがあった記憶があるんですけど、そういうのは今あまりなくなったかもしれないです。

 ただ、どちらかというと、周りのリアクションよりも、他の女装の子たちの変化を感じますよね。女装の世界って、元の男の姿を出さないのが暗黙のルールだったというか、閉鎖的だったところがあって。俺がバッと表に出るようになってからは、結構みんな元の姿も出すようになったような気もします。

――女装する前の姿は見せちゃいけない空気感があった、と。

ひめにぃ様 そうですね。あとは、女装すると、性格とか話し方もみんなお上品に変わるんです。それも女性になりきりたいところがあるからだと思うんですけど。ただ、俺はそういう雰囲気もあんま好きじゃなくて。元の自分の雰囲気のままで女装したかった、っていうか。

――おネエ言葉になったり「女装キャラクターってこういうものだ」という型があったような気もします。

ひめにぃ様 そうなんです。実際に女装の人に会ってもそういう人たちばっかりだったので、俺は「これはちょっと嫌だな」と。それで、あえて声を低くしたり、男っぽいキャラクターでSNSを始めたのがありますね。

――すごいですね。社会の変革です。

ひめにぃ様 女装界の変革ですね。あれをやり始めたのは自分が最初だと思いますね、たぶん。

次の記事に続く 「男女どっちもいけるんです」埼玉の元ヤンキーが『日本一のカリスマ女装家』に大変身…人気女装YouTuber・ひめにぃ様(28)が明かす「意外な恋愛事情」

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