A子さんはむしゃくしゃするようになり、息子に「そんなにやる気のない子はうちにいさせない。海外に行けばいいじゃない」と言い出しました。海外に留学すればいいというのです。

夫と息子が出かけている間に「留学フェア」といったイベントに足しげく通っては、パンフレットを持ってきます。そして「9月からマレーシアに留学させる」と言い出しましたが、子どもは「今の学校が楽しいから行きたくないし家を出たくない」ときっぱりと言い、夫も反対したため、話は一旦収束しました。

それでもA子さんは、息子が反抗するたびに、「留学して性根を叩き直してもらえば」と、執拗に留学を勧め続けました。

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息子はA子さんの留学勧誘から逃げるためか、家の中でさらにA子さんを避けるようになりました。

A子さんはますます機嫌を損ね、食事を作らない、学校の準備もしないと、息子の世話までボイコットするようになりました。

夫は「もう見ていられない、別居しよう」

すると夏休みに入った頃のある日、夫に「話がある」と切り出されました。

「息子への態度がもう見ていられない。今はこの学校で前向きに頑張っているのだから応援してあげられないか」と言われたのです。

その言葉に、A子さんはこれまでで一番と言っていいほど激高しました。

「本当は本命の学校に受かるはずだったのに、落ちたのはあの子の責任」「留学を嫌がるなんて意識が低い」とまくしたて、最後に「あの子が落ちたのはあんたの遺伝子のせい」と夫をなじりました。

夫は黙ってそれを聞いていましたが、「息子を連れて実家に帰る。別居しよう」と言われました。

これまでの勢いも手伝って、A子さんはすぐさま「さっさと出て行ってよ」と答えました。どうせ口だけだろうと思っていましたが、次の日、夫と息子は本当に荷物をまとめて実家に帰っていってしまいました。

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夫からは生活費が振り込まれるので、それで生活していました。たびたび夫に「ちゃんとあの子を勉強させているか」「留学する気になったか」とLINEを送りましたが、既読にもなりません。