公園で竿を出してかかった魚は…!?
小気味いい引きで上がってきたのはモツゴ。関東ではクチボソとも呼ばれる淡水小物釣りの代表的な魚だ。
一度アタリがでたところを集中して狙うと魚が集まっているのか連続してウキが消し込む。3cmに満たない個体もいるが、飽きない程度に楽しむことができた。さらに芝エリアに移動すると、テナガエビや外来生物のタイリクバラタナゴが釣れた。
タイリクバラタナゴは見た目こそきれいだが、日本の固有種であるタナゴの産卵場を奪う外来種である。在来種の減少は水質に限らず、外来種の移入も深くかかわっていよう。
ひとまず釣りを終え、帰路につく。道中、園内の掲示板に目をやると、手賀沼におけるCOD数値のモニタリング結果が掲載されていた。
情報がオープンにされていると、手賀沼を生活圏とする人々も安心ではないだろうか。釣果も相まって手賀沼に対する暗いイメージが徐々に晴れてきた。
水質改善のカギは利根川に?
続いてやってきたのは手賀沼の西部に位置する北千葉導水ビジターセンター。手賀沼の浄化対策事業の要であり、水質改善に大きく貢献する施設だ。
利根川から水を引いて手賀沼に放水することで、希釈による浄化を図っている。実際にここから放水される利根川の水と手賀沼の水の濁りを比べてみると……違いは歴然。
北千葉導水が稼働した翌平成13年。手賀沼は27年間記録した水質汚濁ワースト1位から悲願の脱却を果たした。平成15年には、その年最も水質が改善した湖沼に選ばれた。さらにこの策は水質改善だけにとどまらず、魚の生態にも大きく寄与することになる。
排水周りは水が循環することで魚の活性も高く、大物が狙える人気の釣りスポットにもなった。一部を除き釣りができるので早速竿を準備した。





