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意外な魚が釣り上がる…
まずは小物釣りからスタート。足元に仕掛けを流していくと勢いよくウキが消し込む。ヒットしたのはオイカワ。オスは夏の繁殖期に体色が鮮やかな婚姻色に染まる。
オイカワは、一時、手賀沼から個体が減少したとされるが、導水により数が増えているのかもしれない。
続いて仕掛けをルアーに変更。金属製のブレードがくるくる回ってフィッシュイーターにアピールする「スピナー」を広範囲に巻くと、これまでの小物とは違う大きなアタリがでた。
ニゴイだ。コイ科の魚でルアーによく反応する。清流にも生息し40cmを超える個体も珍しくない。
さらに排水付近に目をやると、なにやら魚が頻繁に遡上しているのが確認できた。元の利根川に戻りたいのか飛び跳ねて堰を超えようとするが、方向を誤って上陸した個体がいた。手に取るとなんとハス。
琵琶湖原産の魚で、清流などのきれいな川や湖沼に生息するハス。コイ科の魚で魚食性が高く、への字をした口は、獲物を逃がさないために発達したとされる。アユと一緒に稚魚が混ざり込んで、今や利根川水系でも繁殖しているが、長らく「日本一汚い沼」と格付けされてきた手賀沼でお目にかかれるとは驚きだ。
国内外来種である以上、その発見を水質改善の恩恵とするには難しい話だが、ハスも生息できる環境であることは手賀沼にとって悪いことではないだろう。


