湖沼における水質汚濁の程度はCOD(化学的酸素要求量)の数値で測られる。簡単に言えば水中に含まれる有機物の量を表す数値で高ければ高いほど水質が悪いとされる。
水中に含まれる有機物が増えるほど富栄養化が進み、アオコなどの植物プランクトンが繁殖し、結果的に湖沼の溶存酸素量が減ったり、食物連鎖の生態が崩れ生物が棲みづらい環境になる。また堆積したアオコが悪臭問題にもつながる。
手賀沼では過去、CODの歴代最高値(28mg/L)を叩き出した昭和54年前後にアオコの異常発生が確認されている。環境省の基準値は5mg/Lに対して、現在は下水道整備も進み平均して10mg/L前後まで落ち着いているものの、もともと生息していたアユが棲める数値までの道のりは長い。
現在の手賀沼ではたして何が釣れる…?
手賀沼の歴史を調べるほど、そこに生息する生き物が気になってくる。当時よりは水質も改善しており、釣り場として紹介されることもたびたびある。とはいえ、27年もの間日本一汚い湖沼とされていたこともあり、これまでなかなか釣りに行くことはなかった……。はたして今の手賀沼では何が釣れるのだろうか、小物釣りと大物釣りに分けて調査してみることにした。
沼を訪れてみる。釣り場としてみると竿を出せるところは少なく、川辺はほとんどアシが生い茂る湿地が広がっている。
開拓は諦めよう。手賀沼でもっとも有名な釣りスポット、手賀沼公園に車を走らせた。園路では釣り禁止になっているが、親水護岸や一部の芝エリアでは公式に釣りが許可されている。
短い延べ竿に市販の小物釣り仕掛けをセットしてのんびりアタリを待つ。あいにく当日は爆風で、とても釣りどころの天気ではなかった。しかし、それでも小さなウキが消し込むアタリがでた。



