「半ば愚痴のような言葉」をすり替えられて

――これからどう生きるべきなのだろう。

 そう考えながら、近所の川沿いの遊歩道を歩いていたときのことだ。あちこちに携帯電話をかけたり、もらったりした。「清武、どうなんだ。大丈夫か」。読売の元役員で、修業時代を過ごした青森支局の先輩の声である。そのときは読売系の子会社にいた。

 心配してくれているのだな、と懐かしさに駆られて話していると、

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「おまえ、これからどうするんだ。解決策はなにかあるのか」

 と言うので、私は半ば愚痴のような言葉を口にした。

「そうですねえ、どうしても渡邉さんが巨人軍から手を引くということはできないんでしょうかねえ」。もし渡邉さんの専横が続くのであれば、私も監査役みたいな形でチェックすることができるんでしょうか、といったこともとりとめもなく話した。

 ところが、会見から5日後の11月16日になって、読売の社長室長・山口寿一(現・グループ社長)が「ちょっと話をしたい」と巨人の社長室にやってきた。前述の先輩と私の会話を持ち出し、「清武さんは、『渡邉さんは会長を退け、私は監査役になりたい』と言ったそうですね」と言う。

 愕然とした。散歩途中の携帯電話の会話が「自ら常勤監査役の地位を要求した」という話にすり替わっている。私はそこで初めて、査問を受けていることに気づいた。

「これ、もしかしたら事情聴取ですか」

次の記事に続く 「死ぬごどがどったごどが、わがってねんだびょん」変死体にメスを入れると、嗅いだことのない悪臭が! 記者が青森の解剖室で目の当たりにした衝撃の光景

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