作品がきっかけで編み物が「かけがえのない人生のパーツ」に
和音 私にとって一番良かったのは、この作品がきっかけで編み物を始めたことです。まさか自分がこんなに編み物をやるなんて思っていなかったので、自分の人生にとってかけがえのないパーツになりました。今でも色々編んでいます。また、役柄の波留に共通する部分が多くて、私自身も高校生の時に不登校だった経験があるので、当時の自分が報われるような感覚もあり、すごくいい出会いだったなと思います。よかったら、皆さんも編み物をしましょう!
五条 私が演じた役は、当初は自分とは遠くて人物像がずっと掴めないままでした。でも、演じるにあたって、彼女が波留にとって夢みたいな人だったらいいなと思って演じていました。今改めて作品を観て、人との繋がりというものを再認識しました。ずっと一緒にいる人が全てではなく、本当に一日だけとか、色々な付き合い方があるけれど、それは人生の中で存在し続けるんだなと。そういうことを考えるきっかけになったのが嬉しいです。私もあれからずっと編み物をやっていて、寝る間も惜しんでやってしまうくらいハマってしまってます。撮影当初は不器用すぎて、和音ちゃんの方が上手くなってしまったのですが(笑)。本当に素敵なものにたくさん出会わせていただいた作品です。観ていただいて、本当にありがとうございます。
主演二人ともがハマるとは、編み物の魅力おそるべし。
『糸の輪』
STORY
大学生の百瀬波留は外側に接する肉体と、その中に閉じ込められた自分自身との間でゆらぎ、がんじがらめになっていた。ある日、道端で毛糸を偶然拾い、喫茶店でひとり編み物をしている月本織と出会う。織と一緒に編み物をすることで、波留は自分自身と世界とを少しずつ編み直していく――。寺嶋環監督のENBUゼミナール監督コースの卒業制作作品。
CAST&STAFF
監督:寺嶋環/出演:和音、五条おと/2025年/日本/75分



