ダイエットのきっかけは「推しとの出会い」

徳丸 ぽっちゃり仲間だと思っていた同級生と偶然再会したら、すごく痩せていてショックだったり、社会人になって保健師の仕事を始めたものの、太っている私が生活指導を担当することに後ろめたさを感じたり……。大人になるにつれて、そういう小さな出来事がいくつか積み重なっていったんですが、最終的に背中を押してくれたのは、佐藤流司くんとの出会いですね!

――佐藤流司さんというのは、ミュージカル『刀剣乱舞』の加州清光役をはじめ、数々の2.5次元舞台に出演する、あの佐藤さん……?

徳丸 はい。アニメや漫画は好きでも2.5次元というジャンルにはそれほど興味がないどころか、そもそも人生で芸能人にハマった経験自体がゼロでした。亡くなった母親は郷ひろみさんの大ファンで、追っかけ時代のエピソードもいろいろ聞いていましたが、内心、「よくそこまで他人を応援できるな……」と驚いていました。

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――どのような経緯で佐藤さんと出会ったのでしょうか?

徳丸 もともと『刀剣乱舞』のゲームが好きで、キャラクターの中でも加州清光が好きなんですよ。『刀剣乱舞』のオタクをしていたら、ミュージカル『刀剣乱舞』の企画が動き出したんですが、初めはあまりぴんときていなかったんですよね。

 でも2016年に『阿津賀志山異聞』という公演を映像で見てみたら、想像よりすごくクオリティが高くて。それでちょっと興味を持っていたら、2017年10月、流司くん演じる加州清光の単騎出陣(単独公演)が開催されるというので、試しに観に行ったんです。

 生で見たら、もうすごくて……! 後ろ姿まですごくキレイで、客席を通ったときにいい匂いもしたし、「あれっ? 本当に同じ人間かな?」みたいな。それに、髪の毛をいじったり、指先を見たり、何気ない動きからもキャラを研究しているのが伝わってきたんですよね。役者としてのプロ意識に心を動かされると同時に、「舞台を降りたら、どんな人なんだろう?」と流司くん本人にも興味が湧きました。

 広島から夜行バスに乗って、東京や大阪の刀ミュの公演を追うようになり、「加州清光が好きだったはずなのに、なんだか佐藤流司にどんどんハマっているぞ」みたいな状態になっていきました。

彼女の人生を変えた佐藤流司さん ©志水隆/文藝春秋

――そこからダイエットを始めたのは?