このような職種を「感情労働」と呼びます。
自分の感情を抑える必要があるため、いつの間にか自分のキャパシティを超えてしまい、心が枯れていってしまうのです。こうした職種で働いている方々は気づかないうちに心の限界を迎えていることがあるので注意しましょう。
ここまでうつ病になりやすい人の特徴について紹介しました。次はうつ病につながりやすい人間関係について解説しましょう。
逃げたほうがいい人間関係5つ
Q4 人間関係からうつ病になることはありますか?
A 気を遣い過ぎる、気持ちを理解してもらえない、ハラスメントや暴力を受ける、といったことからうつ病を発症することがあります。
まずは、「上司が自分の立場を利用して無茶な要求をする」「離婚すると脅されるので、夫のわがままを我慢している」「クラスメートにいじめられるので、言いなりになっている」といった自分が我慢しないと続かないような人間関係はうつ病のリスクを高めます。
常に気持ちを押し殺していることが発病につながるのです。こうした振る舞いは社会的に「ハラスメント」として認識されるようになってきましたが、まだまだ十分に改善されているとは言い難い現状があります。
相手の期待に過剰に応えようとして、自分から無理をして相手に合わせることでも同様のことが起こります。相手に認められたいという気持ちが強いために、自分で自分を束縛してしまうのです。
子供の頃に「親からいつも良い子であることを強いられてきた」という背景があり、良い人でいるために無理をすることが癖になっていることもあるようです。
身近な人に自分の気持ちを分かってもらえないこともうつ病につながります。
研究によると、「パートナーに気持ちを理解してもらえない関係が長く続くと、うつ病の発症率が10倍になる(※)」という報告もあります。とくに配偶者にアスペルガー症候群などの神経発達症がある場合、夫婦で情緒的な関係を築くことができないために、うつ病を発症しやすいことが知られています。