バンベルスキーは答える。

14歳の娘を殺害された、バンベルスキー氏 ©getty

「違う。法で裁かなければ意味がないんだ。殺したところでカリンカは喜びやしない」

娘を殺された男に手を差し伸べた「ヤバい集団」

 この会話が交わされて数ヶ月後の2009年、バンベルスキーのもとに1本の電話が入る。

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「おまえが望むなら、クロムバッハを誘拐してフランスに送り届けてやろう」

 電話をかけてきたのは、プロの誘拐チーム。バンベルスキーが友人に打ち明けていたあのとき、偶然その話を耳にしていた連中だった。誘拐は当然、犯罪である。が、バンベルスキーは自分が罪に問われることも厭わず誘拐チームのボスとコンタクトを取り仕事を依頼する。提示された報酬は1万9千ユーロ(約250万円)だった。

次の記事に続く 《懲役は…》「私が行ったことは正しい行為だった」“14歳娘の命を奪った継父”を誘拐したのちボコボコに…「復讐のため犯罪にまで手を染めた」父親のその後(平成21年・海外の事件)