義両親は、足で食事をする姿も受け入れてくれた

――交際から3年後に結婚されたそうですが、パートナーの家族と会ったときの反応はいかがでしたか。

佐野 ご両親もめちゃくちゃ普通だったんです。最初は驚いたそうですけど、「息子が決めた子なら」と、自然に受け入れてくれました。

 私が足で食事するのは驚かれてたんですけど、「ごめんね、見ちゃって。でもすごいなと思って」みたいな感じで、「(腕がないと)大変でしょ」みたいな一歩引いたような言葉は一切言われなかったですね。

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両親を含む家族との1枚

――「大変でしょ」は、言ってしまいがちな気がします。

佐野 小さい時から街中で、特におじいちゃんやおばあちゃんからは、「かわいそうだね」「大変だね」って言われてきました。悪気はないのはわかるんですけど、またか……って思うこともあって。

 だから、夫のご両親から「息子のことよろしくね」って言われたときは、「彼のご両親、すごっ」ってなりました(笑)。

 よくよく聞いたら、夫の妹さんに脳性麻痺のお友だちがいたみたいで、その子が何かつらい目に遭ったとき、義理のお母さんが「差別するな!」って周りに対して怒ったこともあったそうです。

――2020年に出産され、5歳の娘さんがいらっしゃいます。SNSでは育児などについても発信されていますね。

佐野 応援してくれる方がたくさんいる一方で、障害のある私が子どもを持つことについて、誹謗中傷もあって。

「障害者のくせに子ども産むな」とか「将来ヤングケアラー確定だ」とか。一番つらかったのが、娘に対して「今すぐ母親から逃げてほしい。あなたは絶対不幸になる」というコメントでした。

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