先天性四肢欠損症のタレント・佐野有美さん(35)。生まれつき両腕がなく、短い両足にある計4本の指と口を使って家事などを行う姿を発信し、障害とともに生きるリアルを伝えている。

 2020年には第一子を出産し、“四肢欠損ママ”としても積極的に活躍する佐野さんに、幼少期の思い出や20歳で知ったという「衝撃の事実」について聞いた。(全3回の1回目/続きを読む)

“四肢欠損ママ”として積極的に情報発信を行っている佐野さん 写真提供=本人、以下同

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――今日はよろしくお願いします。暑い日が続いていますが、ふだん使っている電動車椅子は、暑さは大丈夫ですか。

佐野有美さん(以降、佐野) 高温になった車の中にずっと積んでおくのは避けたほうがいいみたいです。バッテリーが搭載されているので。より危ないのは雷ですね。感電しちゃうかもしれないので、ゲリラ豪雨の予報とかには気をつけてます。

――佐野さんが電動車椅子を使っているのは、「先天性四肢欠損症」という生まれつきの障害ゆえですが、改めてどんな障害か教えてください。

佐野 よく「乙武(洋匡)さんと同じ障害ですか」と聞かれるんですけど、厳密にいうとちょっと違うんですね。

 乙武さんは途中まで腕があって、成長期には骨が伸びる痛みを感じたそうなんですけど、私の場合、両肩から先が全くなくて。で、下半身は、短い左足に指が3本あるのと、左足よりさらに短い右足に指が1本ある、という状態です。

――ご両親は、妊娠中から障害についてはわかっていたんですか。

佐野 母が通院していたのがちょっと古い病院で、エコーがないかわりに、筒みたいなやつで生きているかどうか確認するだけだったらしいんですね。

 なので、産んではじめて、私の四肢が欠損していると知ったそうです。