「いい人生だった」と振り返れるように
「私がもし殿下のお力になれるのであれば、謹んでお受けしたいと存じます。これまで殿下には、いろいろ大変幸せに思えること、うれしいと思えるようなことも言っていただきましたので、その殿下のお言葉を信じてこれから二人でやっていけたらと思います」
「お受けいたしますからには、殿下にお幸せになっていただけるように、そして、私自身も自分で『いい人生だった』と振り返れるような人生にできるように努力したいと思いますので、至らないところも多いと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」
外務省をやめることへの葛藤
いっぽうで、雅子さまは陛下からのプロポーズを一度固辞されたといわれている。会見では、当時の心の葛藤について問われると、「私がご辞退申し上げたことがあるかどうかということについて、私の方から申し上げるのは差し控えたい」としつつ、ご自身のキャリアについて不安や、外務省をやめることへの悲しみを抱えていたことを明かされている。
「私は外務省で大変やりがいのある仕事をさせていただいておりましたので、その仕事をやめるべきかどうかということについて、だいぶ悩んだことはございました。ですから、この新しい決心をするまでに、十分に考える時間が必要だったということだと思います」
「これまで6年近く勤めておりました外務省を去ることに悲しさを感じないと申しましたら、それはうそになると思います。外務省では大変やりがいのある仕事もさせていただいておりましたし、大変学ぶべきところの多い、尊敬すべき先輩や同僚にも恵まれて、とても充実した勤務でございました。
でも、昨年の秋、私は本当にいろいろと考えた結果、今、私の果たすべき役割というのは、殿下からのお申し出をお受けして、皇室という新しい道で自分を役立てることなのではないかと、そのように考えましたので、決心したわけですから今、悔いはございません」
雅子さまの心を打った陛下の言葉
プロポーズを受けるまでの過程で、雅子さまは陛下から「私の心を打つような言葉をいくつかいただいた」という。よく知られた「皇室に入られるということには、いろいろな不安やご心配がおありでしょうけれども、雅子さんのことは僕が一生全力でお守りしますから」という言葉も、その一つとして挙げられたものだ。さらに、こう続けた。

