9月6日、秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまが成年式を迎えられた。この日は、悠仁さまの19歳の誕生日でもあった。成年式は男性皇族だけが行う儀式で、秋篠宮さま以来、じつに40年ぶりのことだった。
成年という人生の大きな節目で、天皇陛下や秋篠宮さまもまた、何を考え、どんな、将来を思い描いていたのだろうか。お二人の青春を振り返ってみると……。
秋篠宮さまの貴重な肉声をつづった『秋篠宮』(2022年/小学館)などの著書をもつ、ジャーナリストの江森敬治氏が寄稿した。(全2回の1回目/続きを読む)
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天皇陛下が20歳だった頃
天皇陛下の成年式は、1980年2月23日、20歳の誕生日当日に行われている。当時、浩宮さまと呼ばれていた陛下は、学習院大学文学部史学科2年生で、クラブ活動は音楽部オーケストラに所属しビオラを担当していた。登山が趣味で、美声の持ち主である陛下は、学習院高等科卒業時の謝恩会で「津軽海峡・冬景色」を歌ったこともある。
成年式の3日前に行われた記者会見では、まず、「成年式をお迎えになる今のご心境を聞かせていただければ」と、記者から尋ねられた陛下は次のように答えている。
「成年式を迎えると、いろいろと成年皇族として行事に参加することが多くなると思うんです。ですから今の心境としては、そういったものに参加する喜びもあるのですけれども、また同時に、責任の重大さというものを感じています。でも一歩一歩努力していきたいと考えています」
東宮御所の庭を掘っていると縄文土器が…
次に、「殿下は歴史をご専攻になっていますが、歴史のどういうところに興味をお持ちになってらっしゃるんでしょうか」などと、記者から質問され、このように話した。
「歴史に興味を持ち始めたのは、小学校の時なんですけれど、とくに仏像が好きで、奈良県に確か3回ぐらい行っていろいろと見たことを覚えているんです。それからちょうどこの(東宮)御所の庭に、以前砂場があったんですけれども、そこを掘っているうちに、偶然に縄文土器だとか弥生式土器を発見したこと、こういったことも一つあります」
「それから、やはりこれも小学校の時ですけれども、ある時この御所の中を散歩中に、偶然、奥州街道という看板を見つけたんですね。つまり、鎌倉時代の時だと思うんですが、昔そこに街道が通っていた。その時なんか非常にいうにいわれぬ興奮を味わったんです」
会見で、「一生の学問というものを見つけたい」と、語っていた陛下は、海外留学に魅力を感じていて、「海外へ出るってことは、これは非常に重要なことだと考えていますから、できるだけ機会があれば出たいと思ってます」と、希望していた。
また、記者から理想の女性像について尋ねられ、このように語っている。


