SUSURUさんがラーメンYouTuberとして活動を開始したのは2015年。YouTuberの存在がいまほどは認知されていなかった時代から、どんな思いを持って活動を続けてきたのか。ラーメンYouTuberとしての10年の歩み、そして家族や健康問題についても話を聞かせてもらった。(全3回の3回目/はじめから読む

YouTubeチャンネル「SUSURU TV.」のSUSURUさん ©釜谷洋史/文藝春秋

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大学で青森から上京、「さあ行くぞ」とラーメン二郎へ

――10年にわたって、毎日のようにラーメンを食べ続ける生活は、誰でもできることではないと思います。やはりそれ以前からのラーメン好きだったのですか。

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SUSURUさん(以下、SUSURU) もちろん好きといえば好き、だったのですが、その頃食べていたのはラーメン二郎ばかりだったんです。週3とか週4くらいのペースで二郎ばっかり食べ歩いていて。だから二郎以外のラーメンはあまり……。

――それでも週3、週4でラーメン二郎というのも常人にはできないペース。どうして二郎にハマったんでしょうか。

SUSURU 僕は青森出身なんですが、地元にいたときにはラーメンを並んで食べる経験なんてなかったんですよ。家族で行くような感じでしたし。でも、友だちと「東京にはラーメン二郎っていうヤバい店があるらしいぞ」とか、そういう話はしていたんです。それで大学生になって上京して、さあ行くぞ、と。

 

――満を持してのラーメン二郎。

SUSURU ラーメン屋さんに並ぶなんて初めてでしたし、ワクワクして。最初に行ったのはラーメン二郎の目黒店でした。でもこれが、食べるのにものすごい時間がかかっちゃったんです。おいしかったんですよ。おいしかったんですけど、ご存知の通り二郎って、スゴいじゃないですか。初めての経験だったから、食べるのが遅くなって。「お客さん、食べられなかったら残していいですよ」って言われちゃいましたから(笑)。

――まさに衝撃の“ラーメン二郎との出会い”ですね。

SUSURU いやあ、確かに伝説の店だな、と。でも、二郎に行けたことで東京に来たという実感もあって。すぐには再訪できなかったのですが、半年ぐらいしてからもう一度行って、それからは本格的に通うようになりました。バンドサークルの後輩にラーメン二郎好きが入ってきてからは、もう年中。他のラーメンには見向きもせず、二郎ばっかりでした。

明治大学在学中に通った二郎系ラーメンは動画でも紹介されている(YouTube「SUSURU TV.より」)

中退した後、サークルの先輩に誘われYouTuberに

――そんなところから、いまやありとあらゆるラーメンを食べ歩くYouTuber。どういう変化があったのでしょうか。

SUSURU 大学を中退してプラプラしている時間が1年半くらいあったんですけれど、そのときに大学のサークルの先輩が誘ってくれて。ラーメン二郎が好きだったから、じゃあラーメン専門のYouTuberでどうだ、と。

 その頃はラーメン専門のYouTubeチャンネルがなかった時代だったんです。「好きなことで生きていく」というYouTubeのテレビCMが流れている頃で、HIKAKINさんも登録者数が100万人いってなかったんじゃないかな。少しずつYouTuberの存在が世間に認知されはじめたかな、というようなタイミングでした。