いまや老若男女、ありとあらゆる人に愛されている国民食・ラーメン。いつしかさまざまな方向に進化を遂げて、毎年無数のラーメン店が現れては消え、また現れる。出先でちょっと昼食を、といったときに手軽にラーメンをと思っても、いったいどの店がウマいのか、どんな味なのかがわからない。そこであれこれ情報を探るのも、現代日本人の作法のひとつになっている。

 そんなとき、役に立つのがYouTube。年間650杯、毎日ラーメン生活を続けて10年という、ラーメンYouTuberのSUSURUさん。ラーメン界の若きトップランナーに「ラーメン店選び」のポイントを教えてもらった。(全3回の1回目/続きを読む

YouTubeチャンネル「SUSURU TV.」のSUSURUさん ©釜谷洋史/文藝春秋

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――もう10年もラーメンを食べ続けているSUSURUさん。動画を拝見していると、それこそ毎日毎日、ありとあらゆるラーメン店に行かれています。どうやって行く店を決めているのかは、一般的なラーメン好きでも気になるところです。

SUSURUさん(以下、SUSURU) 雑誌とか、個人のブログだとか、あらゆる手段を使っています。最近ではインスタでラーメンの情報を投稿している人も多いので、大いに参考にしています。地方に行ったときにはYouTubeで調べると、その地域の突拍子もないお店とかが動画になっていたりするので、結構役に立つかなと思います。

 で、最終的には食べログですね。食べログはめっちゃ使っています。例えば大阪に行くとなったら大阪府・ラーメンで検索して出てきた店を上から200ぐらいざっと眺めて、目に付いた店を回るルートを組む、みたいな感じですね。

食べてない店をとにかくなくす

――そうやって地道に目に付いた店を探しているんですね。町を歩いていてラーメン屋を見かけて入る、みたいなことはないんですか。

SUSURU 突撃で入ることもたまにありますけど、それだと当たり外れの外れを引く確率が大きくなりやすい。だから基本的にどの店に行くのかは事前に決めて、アポも取っています。

 

 そもそもラーメンって、しらみつぶしに食べないとダメなんですよ。食べてない店をなるべくなくす、みたいな感じで。そうでないと説得力がなくなっちゃう。少なくとも僕だったら東京のラーメン屋さんは、新しいところも古いところもだいたい抑えておかないといけないと思っています。ラーメン好きなら行っておくべき、みたいなところが多いんですよね……。

地方のラーメン店はエリア全体を「点じゃなくて面」で訪問

――となると、地方に遠征するときは……。

SUSURU 地方では、やっぱりまずはその地域のナンバーワンみたいな店に入っておくのが定石だと思います。それから2番手、3番手ぐらいのお店まで回ると、ある程度どんな地域なのかが見えてくるというか。そういうのはありますね。

YouTube「SUSURU TV.」には日々ラーメン動画が上がる

 実際、結構地域によって違いってあるんです。東京とかは1食あたりの麺の量が少ない。東北だと自家製麺の店がわりかし多く、スープと麺の量も東京と比べると多くて1杯で満足できる印象です。こういう特徴は、ある程度食べていかないとわからない。

 あと、地方では同じ系統のご当地ラーメンが食べログで軒並み上位に入る中、違うタイプの店があったりする。例えば栃木県の佐野では、佐野ラーメンのお店に交じって鶏ガラベースの醤油のキレが立ったようなラーメンがあるんです。県外からもラーメン好きが来ていたりして。そういうところも押さえておかないと、といった感じですね。