――なるほどお店の人の思いを知ると、またラーメンに向き合う気持ちが変わってきそうです。生半可な気持ちでは食べられないな、みたいな。
SUSURU 個人的にはずっとラーメン二郎が好きだったこともあって、ラーメンにはパンチを求めているんです。ひとくち目にピシッと「こういう味だぞ」っていう強いアピールみたいなのがあるラーメンが好きで。
だから、YouTubeを始めた頃は優しい味だとなんかラーメン食べたような気がしなかった。でもいまはさっぱりしたラーメンも好きになりました。素材感の強いラーメンだと、店主さんの創意工夫とかが伝わってくる。お店の人の思いは、やっぱり大事ですね。
食べログで見るのは口コミよりも…
――数えきれないほどのラーメンを食べてくると、店に入る前から「ここはウマいぞ」とか、わかってきたりするものですか。
SUSURU いや、まあ多少はわかるようになりますよね。なんというか、勘みたいなものです。まず丼顔を見て、スープの量が多くてトッピングのバランスがいいと、これはおいしそうだな、と。お店の人がていねいな作業をしているっていうことが現れているんです。脂の浮き方も大事ですね。
実は食べログでも味の感想はあまり見ないんです。その人を知っていれば、どんな味覚を持っているかがわかるから参考になるけど、食べログはそうじゃないですから。むしろ写真ですね。丼顔、あとは店の雰囲気です。
メニューとか券売機の配置とか、そういうのも結構参考になる。手書きのメニューが壁に貼ってあるような、古い町中華みたいな店内だと、これはアツいなと思います。
1年に約650杯のラーメンを食べている
――ちなみに、僕はラーメンを食べるときについついスープを飲み干してしまいます。もうやめておこうと思っても、お冷やを飲んで口の中がさっぱりしたら、また目の前のスープを体が欲して……。でも、SUSURUさんはスープを残しているじゃないですか。どうしてもスープを飲み干したい人に、何かコツを教えていただければ。
SUSURU いやあ、別に意識して残しているわけじゃなくて、昔からそうしているだけなんですよね。ラーメン二郎から入っているから、二郎のあのスープを毎日完飲してたらヤバいでしょ(笑)。普通に食べて、普通に終わってるだけです。
もちろん、すごくおいしかったら敬意を表する意味でも飲み干すことはあります。ラーメンにとって、スープはいちばんおいしいポイントでもあるし、原価もかかっていますから。ただ、僕は1年に650杯くらい食べてるんです。それを全部飲んでたら、大変なことですよ。
1日に2杯のラーメンをスープまで飲み干すことを、“ダブ完”って言うんです。ダブ完はさすがにハードルが高い。できる人も限られてくるんじゃないですか。1日に3杯、4杯食べるのに……。タブ完はしたことありますが、さすがに3杯、トリ完は僕もないですね(笑)。
撮影=釜谷洋史/文藝春秋
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