若きラーメン界のトップランナー・SUSURUさん。ラーメンそのものへの造詣の深さもさることながらチャンネル登録者数186万人、YouTuberとしても存在感は増すばかり。「ラーメンYouTuber」の第一人者としての苦労はどんなところにあるのだろうか。(全3回の2回目/続きを読む

YouTuberのSUSURUさん ©釜谷洋史/文藝春秋

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「やっぱりラーメンが主役、おいしそうに見えないと」

――SUSURUさんの動画を拝見していると、食べ方がとても美しいなと思うんです。感想のコメントも的を射ていて、客観的でわかりやすい。そういういわば見せ方のようなところも、だいぶ意識されているんですよね。

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SUSURUさん(以下、SUSURU) もちろんそうですね。物撮りをするラーメンも自分が食べるものを使っているんですけど、物撮りもなるべく短く済ます。提供されたらすぐ食べるというのは、特に意識しています。

 食べ方で言うと、カメラは自分の反対側に置いているのでそちらに向けて麺を見せるように箸を使う、とかですかね。あとは基本的なところ。麺は啜りきってかみ切らないとか。こういうのはラーメンの世界では結構厳しく見られるんです。だから麺を見せるときにはガバッと多めにつかんでも、食べるときには少ない量にして。

 

 食べ進めていっても、丼の中で麺とスープとトッピングがぐちゃぐちゃになったりしないように。なるべく崩させずに食べるようにしています。細かいところではもちろん丸めたティッシュとか機材が映り込んだりしないようにしたり……。基本的にはノンストレスで見てほしいんです。そのためには、やっぱりラーメンが主役ですから、おいしそうに見えないと。そこがいちばんです。

ラーメン界ならではのおもしろさに惹かれて

――なるほど、小さなことでも工夫をしながら。「おいしそうに食べているなあ」くらいにしか思っていなかったのですが、その裏には撮影から食べ方までいろいろなポイントがあるという……。なかなかラーメンYouTuberの世界、大変そうですね。

SUSURU そういう部分はありますね。ただ、ずっと毎日続けていると慣れてくるものですよ(笑)。

――コメントも実にわかりやすい。

 

SUSURU 2015年にYouTubeをはじめた頃は、ラーメンブロガー全盛期だったんです。だから相当、ブログは見ましたね。それでラーメンならではの表現とかも学んで。味と関係ないところでも、たとえば「PP」とか。開店前の行列の先頭に立つことで、ポールポジションのことです。

 そういうラーメン界ならではのおもしろさ、オタクっぽさみたいなのにも惹かれて。でもあとは経験ですよ。いろいろなラーメンを食べて、最初はウマいかどうかぐらいしかわからなかったものが、こういう素材が入っているからこういう味がする、みたいに蓄積して、データベースになっていって。