近鉄と京阪、どちらがメインの駅なのか?

 いまでも珍しく喫煙所があるというホームから橋上の駅舎に上がり、改札を抜けて左に続く連絡通路を歩いた先が、京阪の丹波橋駅だ。ふたつの丹波橋駅の間は距離にして100mほど。

 

 京阪の丹波橋駅には喫煙所こそないものの、コンコースにはいくつかの店舗が並ぶ。近鉄も京阪もほとんどの列車が停まる主要駅であることは同じでも、どちらかといえば“京阪の駅”としての色が濃いといったところだろうか。

 

 このあたりの事情は、歴史にも裏付けられる。先にこの場所に駅を開業させたのは京阪なのだ。

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 1910年のことで、それからおおよそ30年ほど遅れて近鉄側が開業している。1945年からは完全に同一の駅となり、互いに直通運転までおこなっている。

 

 直通運転は1968年に廃止され、少し離れた東側に近鉄の丹波橋駅が独立した。つまり、この駅の原点は京阪にあり、というわけだ。

 同じ丹波橋駅であっても、近鉄側の正式名称は「近鉄丹波橋」。その裏にはこうした経緯が潜んでいる。

 

 となれば、駅前もそれにふさわしい立派な……と思いながら京阪側の駅舎から外に出てみると、いやはやびっくり。