観光都市・京都——。その範囲は、玄関口の京都駅から見ると、なかなかに広い。京都駅から歩いて行ける範囲はごくわずか。新幹線を降りてから、ほとんどの観光スポットや繁華街へは、他の鉄道路線かバスに乗り継がなければならない。
そんなとき、乗り継ぐ鉄道路線のひとつが、京都市営地下鉄烏丸線だ。その名の通り、京都市内の中心部では烏丸通の地下を南北に走る。途中には、阪急電車と交差する四条、地下鉄東西線と交差する烏丸御池、“京都の代官山”などと呼ばれていたような気がする北山などの駅がある。だいたい烏丸通と交差する通りの名がそのまま駅名になっているので、京都の町に慣れ親しんでいる人ならわかりやすさという点では一級品だ。
さっそく、京都駅から地下鉄烏丸線に乗ろう。
京都市営地下鉄“ナゾの終着駅”「国際会館」には何がある?
行き先は、だいたい二つに分かれる。ひとつは、南に向かう竹田行き。こちらは竹田駅で近鉄京都線と接続するルートで、近鉄に直通する列車も運転されている。もうひとつは、北に向かう国際会館行きだ。
観光などでこの町にやってきた人は、だいたい北行き、つまり国際会館行きに乗ることになるだろう。京都市中心部の観光地へのアクセスには、こちらのほうが便利だからだ。
実際、烏丸線の地下ホームに降りると、大きなキャリーケースを抱えた観光客の姿が目立つ。彼らはみな、国際会館行きに乗り込む。
ターミナル・京都駅から乗り込むお客は観光客に限らず、地元の学生風の若い人たちも多く、座れないほどの混み合いぶりだ。そして、だいたいのお客が四条、はたまた烏丸御池あたりでどんどん降りてゆく。同志社大学の最寄り駅でもある今出川駅でもごっそりと。
ここまでくると、もう観光客らしきお客の姿はまばらだ。目につくのは学生さんばかり。そうして少しずつお客は減っていき、終点の国際会館駅に近づくころには車内はガラガラだ。京都駅から国際会館駅まで、だいたい20分ほどで到着する。
今回の目的地は、この地下鉄烏丸線の終点・国際会館駅だ。