改札を抜け階段を上がると…
地下ホームから階段を登って改札を抜け、さらに地上への階段をあがってゆくと、バスターミナルが待っていた。
いくつもののりばが設えられ、行き先は四条河原町・三条京阪といった中心市街地から、京都産業大学や岩倉実相院、はたまた貴船口や鞍馬などさまざまだ。
京都の中心部の路線バスといったら市バスのイメージが強いが、国際会館駅ではどうやら脇役で、主役を張っているのは京都バス。どちらかというと、京都市北部の丘陵地に向かう路線が多いようだ。
そんなバス乗り場の反対側は、すぐにそのまま宝が池公園に繋がっている。宝ヶ池という大きな池を中心に、松ヶ崎丘陵一帯を占める巨大な公園だ。
せっかくなので、公園の中を少し歩く……といっても、観光シーズンでもないし平日の真っ昼間。歩いている人は他にはいない。公園の中には岩倉川が流れていて、橋の上から周囲を見渡すと、北にも東にも、それほど遠くないところに山並みが見える。
公園を歩いていると巨大な建物が見えてきた
ときおりジョギングしている人とすれ違いながら進んでゆくと、公園の名になっている宝ヶ池が見えてくる。
江戸時代、農業用のため池として造成されたという宝ヶ池を中心に、京都盆地北部の松ヶ崎丘陵ほぼ全域が宝が池公園の敷地内。宝ヶ池にはどうやらボートなんかもあるようで、天候に恵まれた週末などはデートスポットになっているのだろうか。カップルで宝ヶ池のボートに乗ったら別れるとかなんだとか。
そんな宝が池公園を歩いていると、いやでも目に入ってくるのが巨大な建物、国立京都国際会館だ。
1966年、日本で初めてとなる国立の国際会議施設として誕生した。知識がないので詳しくは語れないが、建築物としても高く評価されているという。そして何より、この国立京都国際会館で1997年に地球温暖化防止京都会議が開催され、京都議定書が採択された。いまでもニュースなどで耳にする機会の多い京都議定書が生まれた舞台、なのである。
とはいっても、あてもなく散歩しているだけの筆者が国際会館の中に入ったところでどうにもならない。その脇にはザ・プリンス京都宝ヶ池という立派なホテルもあるが、こちらにもあいにく用はない。宝が池公園から出て、再び駅前に戻る。