83年生まれ、講談界の若手スター・神田松之丞さんに聞く「テレビの履歴書」インタビュー全3回の後編は現在増えているという「声」の仕事のお話、そしていつか出てみたいあの番組への“野望”。聞き手はてれびのスキマさんです!(全3回の3回目/#1、#2より続く)
◆
初めてのテレビ出演で「いい怪我」しました
―― 初めてテレビに出た番組は覚えていますか?
松之丞 確か、スーパー・ササダンゴ・マシンさんとダイノジ大谷さんと3人で、それぞれ好きなテレビ番組を語るような企画の番組で……。
―― フジテレビの『放談ナイト』ですね。
松之丞 そうですね。ところが僕、何を話すか全く用意して行かなかったんですよ。言い訳するわけでなく、本当に死ぬほど忙しくて。それで現場でなんとかなるだろうと思ったら、全然なんとかならなかった。「松之丞さん、今までで、どんなフジテレビの番組好きですか」って言われて、適当にアニメの『ドラゴンボール』を挙げたんですよ。で、当然「ドラゴンボールの魅力について喋ってください」って話になるんですが、別にマニアでもないし、まあ薄っぺらな知識を薄いまま放送したんですね(苦笑)。その時に思ったのは、あっ、テレビってナメちゃいけないんだなって。「いい怪我したな」って思いましたよ。
―― いい怪我。いい言葉ですね。
松之丞 あんなレベルの出方だったら、お断りするほうが誠実だったと思いますが、テレビに対する姿勢というものは全部そこで、怪我したおかげで教わったと思っています。それからは、ちゃんと台本も読んで、こうふられたらああ返そうとか脳内シミュレーションして臨むようになりました。