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声の仕事『ひそねとまそたん』と『鳴門秘帖』

―― テレビ出演では、最近は声の出演も結構されていますね。

松之丞 声優、ナレーションのお仕事をいただくことも増えました。気をつけているのは声優さん、ナレーションのプロに対しての尊敬を忘れないこと。たとえば声優のファンの人たちに「あいつの声、邪魔だったな」と思われたら作品全体を台無しにして元も子もないですから。嬉しいのはアニメ業界の方たちが講談というよくわからない職業を面白がってくれてるところです。

 

―― この前は樋口真嗣監督とのお仕事でしたね。

松之丞 『ひそねとまそたん』の「まそたん」という龍の役で声優を担当しました。これ、擬音しか喋らない役なんですけどね(笑)。これはこれで難役、やりがいがありました。最初に声優の仕事をしたのは、Eテレの『世界制服』っていう番組です。乃木坂の西野七瀬さんが出演した世界中の「制服」を紹介する番組なんですけど、僕はカメレオンのキャラクターの役でナレーション進行する役をやらせていただいたんです。「七色の声を使うカメレオンをやってください」って言われて初声優で7つの声を使い分け。

 

―― 難しい(笑)。

松之丞 色が変わるとキャラが違うっていう設定で、いきなりもう激ムズの役だなっていって。今回の『ひそねとまそたん』も変態飛翔生体という役どころで、それだけじゃなくて、まそたん以外の別の龍もやったりとか大変でしたけど。編集や加工のおかげで、よく仕上げていただいて、アニメファンの評判も良かったんです。ツイッターでも拡散したと思います。一方でNHKBSの時代劇『鳴門秘帖』のナレーションについては、視聴者層がツイッターに親しんでいないから、どういう反応があるのかわからない。

 

―― たしかに(笑)。

松之丞 と思っていたら、講談の会に来るような年配の人たちから「『鳴門秘帖』観たよ」って直接声をかけられました。70オーバーとか60オーバーの方たちです。地方に行ってもNHKは強いので、高齢者が集まるところに行くと「『鳴門秘帖』観たよ」ってうわーってなる。声なき声っていうのはこういうことかと(笑)。