投げ銭“パパ”に家を買ってもらう女性も…

「日本のアイドルとの違いは、ファンの方がわたしたちにインスタグラムなどでダイレクトメッセージを送って、連絡を取れてしまうことなんです。わたしはファンの方と距離感をきっちり取りたいので、あまり返事はしないんですが」

 なかには、ダイレクトメッセージで球場で撮影した写真を送ってくれる熱心なファンもいる。ただ、その写真をインスタグラムに上げると「なぜ僕の写真は載せてくれないのか」といった、ファン同士のネットバトルが発生する。炎上のマネジメントも、個人事業主である個々のチアガールがやるしかない。負担は小さくないのだ。

台湾のライブ配信チャンネル『浪』(lang)。グループカテゴリー「チアガール(啦啦隊女孩)」の隣に「AKB48台北」があるのも、台湾エンタメ業界における彼女らの位置づけを感じさせて興味深い。

 別の場で聞いた、チアガール業界に詳しい人の話によると、「ライブチャット・パパ」に車や家を買ってもらったり、月に相当なお手当をもらったりする女性も存在するという。距離感を間違えた大量課金ファンによる本人突撃、といった事態もあるようだ(なお、今回の企画で取材に応じてくれた3人は全員とても真面目な人たちなので、その手の話は嫌悪感しかないそうである)。

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早朝フィットネスの様子をインスタに上げるKaiiさん(右)。

「わたしは健康的なイメージでやっていきたいです。将来は運動ブランドの広告やアンバサダーをやれるようになりたい。勉強も続けて、もっと自分を成長させたいですね」

 Kaiiさんは東京マラソンにも出たいそうである。今後のWBC台湾チームの応援なども含めて、いつか日本で彼女の姿が見られるか。ちょっと楽しみだ。

<取材協力>
沈珈妤 IG:@kaii_0421

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