これまで二度の性別適合手術を受け、整形手術にも2000万円以上をかけて美を追求する姿が注目を浴びているトランスジェンダーの矢神サラさん(33)。六本木で複数の飲食店を経営し、YouTuberやモデルとしても活躍している。2023年にYouTuberのヒカルの動画に出演したことをきっかけに認知度が広がり、2024年に「LAファッション・ウィーク」、2025年にはパリコレにも出演を果たした。

モデル活動以外に経営者としての顔も持つ矢神サラさん ©深野未季/文藝春秋

「私は女の子として生きられない」と葛藤を抱えていた

 矢神さんは幼少期から自身の性に悩み、学校では「あいつはオカマだ」「キモい」といじめの対象になっていた。

「男性が好きだと分かったうえで女の子として生きたいけれど、体が男の子だから『私は女の子として生きることができないんだ』と思ってました。どうやったら女性になれるか方法も分からないし、どうしたらいいんだろうって」

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 18歳で上京した矢神さんは、昼夜ダブルワークでお金を稼ぎ、整形手術を受ける。その後は23歳の時にタイで性別適合手術を受けた。以降も整形手術を重ね、その金額は総額2000万円を超えるという。過去にはインタビューで「可愛いって、最高じゃないですか。不細工のまま生きるのは絶対にイヤ」と発言したことが物議をかもした。

「私は『整形しろ』とか『ブスは死ね』と言ってるわけじゃないんですよ。私自身、不細工だといじめられたり、容姿に悪口を言われてきた人生だったんです。それが整形をしたことで、みんなに綺麗と言われるようになった。2つの人生を生きているんですよね」

©深野未季/文藝春秋

二度の性別適合手術に総計2000万円以上の整形、中でも大変だったのは……

 これまで経験した手術の中でも大変だったのが、骨を削って小顔にするものだという。「ダウンタイムも凄く長くて、2年くらい顔がはれて、不細工な顔でした」と振り返る。

 31歳の時には2回目の性別適合手術を受けた。S字結腸を使って擬似女性器を作る手術だったが、この経験を明かした際には激しい誹謗中傷を受けた。

「『手術をしても所詮は男』『子どもを産めないから女性器ではない』『気持ち悪い』とかヘイトのはけ口みたいな感じで炎上しました」

 LGBTQ当事者でありながらあえて“オカマ”を自称し、現在は「東京オカ卍会」という仲間とともに活動している。4月には芸能事務所のエイベックス・クランにも所属し、活動の幅を広げている最中だ。

「トランスジェンダーの中に『オカマって言わないでほしい』という方がいるのは当然わかっています。でも私みたいにもう好きに呼んでくれ、堅苦しい発言、主張はより分断を招きかねないし楽しくいこうぜ! と考える当事者もいるんです」

 芸能の世界には「昔からの夢」だったと話す矢神さんは、これからもLGBTQ当事者が明るく楽しく生きている姿を発信していきたいと話す。

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 このインタビューの全文は、以下のリンクからお読みいただけます。

最初から記事を読む 「オカマだ」「キモい」と言われ、先生からビンタも…整形に2000万円以上かけた“トランスジェンダーモデル”(33)が振り返る学生時代