「可愛いって、最高じゃないですか。不細工のまま生きるのは絶対にイヤ」

 過去、メディアのインタビューに対するコメントがルッキズムだと批判を受けて炎上した、トランスジェンダーモデルの矢神サラさん(33)。23歳の時に性別適合手術を受け、整形にこれまで2000万円以上をかけて美を追求する姿が注目を浴びている。

 手術の費用を得るために昼と夜のダブルワークとなった苦労や自身の整形事情、さらに発言が物議をかもしたことへの受け止めに恋愛遍歴まで。波乱万丈すぎる半生を赤裸々に語ってもらった。(全3回の2回目/続きを読む)

ADVERTISEMENT

これまで整形に2000万円以上をかけるなど、美を追求する矢神サラさん (本人Instagramより)

◆◆◆

「早くホルモン注射を打ちなさい」フィリピンで味わった驚きの体験

――18歳で東京にやってきた矢神さんですが、就職先などは決めていたんですか?

矢神サラさん(以下、矢神) 決めてなかったですね。アイドルに憧れて全然コネもなく上京したんで。最初に住んだのは家賃3万9000円くらいの部屋でした。引っ越してから5日後に東日本大震災が起きて、アルバイトをしようにも仕事がなくて出鼻を挫かれました。

 住んでいた街も計画停電があって、とにかくやることもないから、ゲオで『銀魂』のDVDを借りて、200話ぐらい全部見ました。銀さん面白いなって。その後はカラオケでバイトしたり、アパレルでバイトしたり。19歳の頃にはフィリピンに語学留学に行きました。

 フィリピンには男性から女性になった人がたくさんいて、仲良くなったら「もう一日でも、早くホルモン注射を打ちなさい」って言われて。日本だと未成年は同意書がないと打てないから、20歳になったら打とうと思ってたんですけど、現地の人は女性ホルモンを体内に入れまくってたんですよ。安全性の確認も取れてない注射とか、飲み薬でホルモンも摂取していて(苦笑)。

――フィリピンでは、そうした人たちを日本よりも受け入れている感じだったのですか?

矢神 雰囲気としては日本より明るいですね。フィリピンやタイで女性になる男性が多い理由のひとつに、お金が稼げることが挙げられていて、親がそれを勧めることもあるみたいです。そうすると、外国人の男性向けのお店で大金を稼ぐことができるから。