鏡月の瓶で殴り合い、髪の毛を引きずり回し……恐ろしすぎた夜の世界
――同じ夜のお店でもガールズラウンジになると環境は変わるんでしょうか。
矢神 全然違いますね。まず給与が倍以上だし、扱いもいいです。逆に当時のおかまバーって上下関係が厳しい自衛隊みたいなところなんですよ。先輩が鏡月をグラスになみなみ注いで「はい、サラちゃん、お仕事だよ」って言われたら飲まなきゃいけない。先輩が絶対の存在なんです。
もう言うこと聞かないと殴られるし。先輩同士が店で鏡月の瓶で殴り合いして救急車で運ばれたこともあります。私は怖くて端っこに隠れてましたもん(笑)。お客様がその場にいるとか関係なしに、相手の髪の毛を引きずり回したり。21歳で見たおかまバーの世界は怖すぎましたね。
――壮絶ですね。恋愛の方はどうだったんですか。
矢神 何人か関係を持った人はいたんですけど、初めて彼氏かなと思う人は26歳くらいの時にできました。クレイジーな経営者でした(笑)。
IT系の社長さんで一緒に住んだんですけど、彼は離婚直後で夜になると、ホームビデオを流し始めるんですよ。私がいるのに嫁と子供の映像を流して「まじでいい女だった」「俺はヨリを戻したいんだ」って言うから、えっ? みたいな。
――たしかにクレイジーですね(苦笑)。
矢神 結局4カ月くらいで別れました。彼はその後に事業に失敗して、3年ぐらい前には100万円を貸したんですよ。当時は超豪華な家に住んでいて豪遊してたんですが、今は1K6万円のところに住んでいて。お金は貸したけど、ちゃんと回収しました。
――ほかにはどんな方と恋愛してきたんですか。
矢神 シンガポール在住の大富豪だとか何人かお付き合いしたんですけど、基本的に長続きしないことが多かったです。浮気されたこともしたこともありますし、男性側も、手に負えませんって感じだったと思います(笑)。



