「LGBTQって一色塗りに見られるじゃないですか。でもそれぞれ全然違う性的指向の集まりなので、『オカマ』と呼ばれるのを嫌がる人がいる一方で、私みたいに自己紹介であえて使う人もいるんです」
23歳の時に性別適合手術を受け、整形にこれまで2000万円以上をかけて美を追求する姿が注目を浴びているトランスジェンダーの矢神サラさん(33)。LGBTQ当事者でありながら、自分自身は面白がってもらったり楽しい場を創出したりしたいという思いから、あえて“オカマ”という3文字に誇りを持って自称し、六本木での複数の飲食店経営や、YouTuberやモデルとしての活動で注目を集める。
その思いに共感した仲間と「東京オカ卍(おかまんじ)会」というグループを結成し、明るく楽しい世界観の発信に努めている矢神さんだが、幼少期には自分の性に悩み、いじめに遭ったこともあるという。波乱万丈な半生を振り返ってもらった。(全3回の1回目/続きを読む)
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小学生時代に「お前、キモい」「オカマだ」といじめられ……
――矢神さんの半生を振り返っていただきたいんですが、まず小さい頃はどんな子供でしたか。
矢神サラさん(以下、矢神) 天真爛漫で女の子みたいな子でした。髪の毛を伸ばしたいとか、女の子のおもちゃで遊びたいとか。それが普通だと思っていたんですけど、だんだん大きくなると男女で分かれてくるじゃないですか。そこで「私は男子のグループなんだ」と感じて。
小学校2、3年生ぐらいから「お前、キモい」「オカマだ」と言われるようになって。「オカマってダメなのかな?」って隠す時期が来ましたね。好きな女の子が誰か答えなきゃいけない状況とかあるじゃないですか。私は安室奈美恵ちゃんやモーニング娘。とか性的に好きじゃない、憧れとして好きな人たちを答えてましたね。



