見かけエリートは億万長者になれない
ちなみにぼくは1、2、3、4が当てはまるけど、5、6は違う。7については出世はしなかったが、メディア企業に勤務して資産運用についての知識を得ることができたという点では合っているともいえる。だから、七つの特徴すべてに当てはまらなくても億り人になれるけれど、とりわけ、1~3は重要だと考える。
『となりの億万長者』では、アメリカの億万長者の多くがごく普通の町に住み、小さな工場やチェーンストアを経営している自営業者で、はたから見れば億万長者とは気づかれないと述べている。半数の人が399ドル(約6万円)以上のスーツを買ったことがない。4割が中古車を買っている。
一方、弁護士や医者、銀行員などの高収入の一見エリートに見える人たちは、生活水準を自分と同レベルの同僚や友人と合わせるため、高級住宅街に住み、ファッションや自動車におカネをかけてしまい、資産がたまらない。スタンリー氏は「高収入と富は違う」という。
そして、スタンリーの法則と呼べるものを導き出した。
資産2400万円でもお金持ち
これは年収×年齢×10分の1を期待資産額とするものだ。そして、期待資産額の2倍以上あれば「蓄財優等生」、半分以下だったら「蓄財劣等生」と呼ぶ。億万長者でなくても、蓄財優等生だったらお金持ちと見なした。ただし、定期的な収入がある人が対象で、無職の人には当てはまらない。
例えば、飲食店に勤めるあんずさんは30歳で年収が400万円。期待資産額は1200万円なので、2400万円以上あればお金持ち、逆に600万円以下なら劣等生となる。
自動車メーカーの部長をしている真司さんは50歳で年収が1000万円。すると期待資産額は5000万円だから、1億円以上、つまり億り人になっていればお金持ち。2500万円以下なら資産劣等生だ。
興味深いのは2人の資産がともに2400万円だった場合、あんずさんはお金持ちなのに真司さんは資産劣等生になってしまうことだ。それは、年齢、年収をもとに判断しており、それまでの人生でいかに蓄財、資産運用にまじめに向き合ったのかの評価だからである。