あんずさんの資産が2400万円とすると、今と同じような水準で資産を増やし続ければ、時間はたつけれど億り人に到達するだろう。逆に真司さんの資産が今2400万円とすると生活水準を改めるか、宝くじが当たるなど突発的な収入がない限り困難といえる。

色褪せない億万長者への道

『となりの億万長者』が出版されたのは1996年で、その後、アメリカでは急速に貧富の差が拡大して、ITや金融業界でお金持ちが続出した。また、インフレが長年続いて物価も高騰している。だから、スタンリー氏の研究は古くなっているかもと思ったことがあった。

しかし、スタンリー氏が2015年に亡くなった後、娘のサラ氏が彼の研究を引き継いで2018年に『その後のとなりの億万長者 全米調査からわかった日本人にもできるミリオネアへの道』(藤原玄訳・パンローリング)を出版した。その段階でも、億万長者の多くは、依然として質素で倹約的な生活を送っていた。

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ただし、資産3000万ドル(約45億円)以上のスーパーリッチはこの限りでないそうだ。もっとも、億り人になること自体が、97%以上の人に無理なのだからスーパーリッチの世界はまた別物といえる。

投資の神様バフェット氏の生活スタイル

そのスーパーリッチの中でも倹約家はいる。世界最高の投資家といわれるウォーレン・バフェット氏はその筆頭だ。

アメリカの株式投資で莫大な富を得て、フォーブス誌によると直近の資産は1330億ドル(約20兆円)というからケタ違い。彼は自分の故郷であるネブラスカ州オマハという中西部の人口50万人ほどの地方都市に住んでいる。

好物は投資先でもあるマクドナルドのハンバーガーで、朝食はドライブスルーでいつもハンバーガーを買っている。1958年に3万ドルで建てた家に今も住み続けている。インフレで住宅価格が高騰した2020年でも65万ドル(当時のレートで約7000万円)と、東京でタワマンを買うよりもはるかに安い家だ。