億万長者はどういう生活を送っているのか。サラリーマン生活から投資で2億円の資産を築いた東山一悟さんは「高級ブランドに身を包み、ポルシェやフェラーリなど高級外車を乗り回している人はそんなにいない。多くの富裕層は質素な生活を送っている。」という――。(第1回)

※本稿は、東山一悟『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』(JTBパブリッシング)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Young777 ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Young777

普通の人が「億り人」になれる時代

目標資産額は人によるといっても、目安が欲しいかもしれない。

ADVERTISEMENT

その一つの目安が資産1億円だ。金融資産から借金額を引いた純金融資産が対象になり、野村総研の定義では富裕層にあたる。「億り人」だ。

これは、2008年の映画『おくりびと』にちなんでいる。日本映画としては初めて、アメリカのアカデミー賞外国語作品賞を受賞している。ぼくは2億円あるから「2億り人」といってもいい。

では億り人とはどういう人たちなのか。

ぱっと思いつくのは地主や大企業の幹部、医師や弁護士といった華やかな職業のエリートだろう。

でも、最近はぼくのようにごく普通のサラリーマンが地道に積立投資をしてきて、その果実を享受するケースも増えてきたという。特に2023年、24年は円安株高が続いたから、国際分散投資をしていて億り人になったとの報告を、SNSで結構、見かける。

ぼくを含め堅実におカネを増やした億り人には、意外と地味な生活をしている人が多い。

贅沢をしないサラリーマン「億り人」

富裕層というと都心のタワマンに住んで、高級ブランドに身を包み、ポルシェやフェラーリなど高級外車を乗りまわし、高級レストランでワイングラスを片手に贅沢三昧といったイメージがあるのではないか。

しかし、必ずしもそうではない。

野村証券で長年個人投資家の相談に乗り、定年退職後は経済コラムニストとして活躍した大江英樹さんは『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」』(朝日新書)という本を出している。大江さんは温厚かつ非常にクレバーな人で、ぼくも何度も会って教えられることが多かったのだけれど、残念ながら2024年1月に亡くなってしまった。今こそ大江さんの新著が期待されるのに残念でならない。