新聞社へ「完全犯罪」を豪語し逮捕された18歳の少年。余罪として浮上したのは、別の23歳女性を襲った強姦殺人だった。2人もの命を奪った凶悪犯。
しかし、裁判で死刑を宣告された少年に、大物文化人や被害者遺族までもが異例の「助命」を求める自体に⋯⋯。鉄人社の新刊『高度経済成長期の日本で起きた37の怖い事件』よりお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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殺されたのは⋯
彼女は中学を卒業後、中央区銀座東の明石中学校の事務員補助をしながら都立小松川高校の夜間部に通う当時16歳の高校生で、同月17日16時ごろ、友達に会いに行くと自宅を出たまま行方不明になっていた。
警察が捜査に乗り出すや、犯人は自ら動いた。葬儀中の被害者宅に女生徒が身につけていた櫛(くし)や手鏡を郵送し、同月28日午前8時半過ぎには再び読売新聞社に電話をかけてきた。同社には犯人から連絡があることを予想した警察が逆探知装置をセットしており、電話に出た記者は意図的に相手を挑発、話を長引かせる。
「キミの声は違うよ。偽者だろ?」
「俺はねぇ、これを考え出したのは夏休み前さ。夏休みは7月20日からだよ。殺人を決めたのは1週間前だよ。俺は被害者の紙まで1枚も残さず持って帰った。指紋を残さないためさ。それくらい冷静だった。完全犯罪だよ。これで2度目の完全犯罪さ。もう危ないからやらないつもりだけど、3度目は予告するよ」
「これで2度目? 前も若い娘なのか?」
「そんなことは言えねえよ。ヤバいからな」
