「あんたには無理だよ」と言われた

――浪人生活を送っているときに、就職しようと思ったことは?

 さすがに自分でも焦って、新聞配達でもやろうと親に相談もせず面接に行ったことがあります。

 でも、「あんたには無理だよ」と、僕を見た瞬間に不採用。青白くて、覇気がなくて「こりゃダメだ」と思われたんでしょうね。「もう一度親と相談しなさい」と諭されて、すごすごと帰ることになりました。

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3浪の末、東京学芸大学へ進学した(写真提供=本人)

――差し迫った状況ですが、それでも勉強に身が入らなかった?

でんじろう 実をいうと、小学校の頃から神経症的な傾向があって。それが勉強が手につかない一因にもなっていました。プレッシャーが強くなるほど症状が顕著になり、やらなきゃと思うほど学習を妨げる。

 でも、「もう限界だな、どうせ受かんないんだろうな」と感じていたら、なぜか東京学芸大学にようやく合格できたんです。

――現在のでんじろう先生を見ていると、こんなに勉強が苦手だったとは意外です。

でんじろう 興味があることには没頭できても、学校の勉強だけは本当にダメでした。それが悩みで、劣等感があって……。そんな自分を否定したいのに、テストを受けるたびに結果は散々で、プライドはボロボロ。この時期を振り返ると「自分は本当にバカなんだな」と思い知らされ、徹底的に追い詰められました。それでも最後に合格できたのは、本当に幸運だったと思います。

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