「毎日1時間睡眠」「髪を洗うのは3日に1回だけ」忙しすぎる過酷な日々

――それで、夜は何時頃まで仕事をしていたのでしょうか。

岡本 定時は夕方なのですが、そのあと夜8時頃まで勉強会や研修があって。さらにその後は、ほぼ毎日飲み会があるんです。まだ仕事が残っていたら、飲み会の後に会社に戻って作業して。研修期間中は、ほぼ毎日そんな生活を送っていましたね。

――次の日にはまた朝4時に出社するとなると、ほとんど寝られなかったのでは?

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岡本 毎日1時間睡眠が基本で、3時間ほど眠れたら「今日はたくさん眠れたな」と思っていました。

――毎日1時間睡眠……。

岡本 少しでも睡眠時間を増やすために、髪を洗うのは3日に1回だけにして。メイクをするのも時間がかかるから、アイメイクは数日落とさずに、メイク落としシートを使ってベースメイクだけ落として塗り直していました。

 寝坊が怖かったので、仕事後は家でシャワーとメイク直しだけ済ませてすぐに会社に戻って、トイレの個室で1時間ほど仮眠をとることもよくありましたね。

 

――とても過酷な生活を送っていたのですね……。

岡本 どんなに過酷でも、ついていかないと簡単にクビを切られてしまうので、必死でした。仕事で言われたことを全部やりきるのはもちろん、どんなに疲れていても誘われた勉強会や飲み会には全部参加してたんです。

 配属部署が決まるまでは、ドラフト会議にかけられているようなピリピリした空気も漂っていて。「使えない」と思われたら、配属が決まる前にクビになるかもしれないから、常に気を張っていました。

外資系の社員は、仕事もプライベートも超人みたいな人たちばかり

――では、配属が決まってからは少し忙しさが落ち着いた?

岡本 寝られるようにはなりましたね。でも、気が抜けないのは変わらなかった。

 最初の1年弱くらいはメインの担当がないから、先輩のサブとして営業をして、慣れてきたら少しずつ任せてもらえる仕事が増えていくのですが、それもすべて成績次第なので。

――会社の先輩や同僚はどんな方たちでした?

岡本 入社前から、外資系の社員って優秀な人が多いんだろうと思っていましたが、想像以上でした。仕事もプライベートも超人みたいな人たちばかり。

 一方の私は、営業なのにそもそも人とコミュニケーションを取るのが苦手だから、電話一本かけるのにもビクビクしてしまって。

 

――厳しい世界ですね。

岡本 不器用ながらも自分なりにめちゃくちゃ頑張ったとは思うんですけど、超人のようなコミュニケーション能力を持つ人に、コミュニケーションが苦手な私が営業成績で勝つのは、努力だけでどうにかなるものじゃない。

 だから、「遅かれ早かれクビになるかもしれない」と思いながら仕事をしていましたね。