ポーカーの世界的な大会「WSOP Ladies Championship」で2024年に日本人初優勝を果たし、2025年には2連覇という“歴史的快挙”を成し遂げた、ポーカープレイヤーの岡本詩菜さん。

 2024年の初優勝時には日本円で約2500万円、2025年の2連覇達成時には約2700万円の賞金を獲得し、現時点での獲得賞金総額は約1億6000万円にも及ぶ。

 岡本さんは京都大学工学部建築学科を卒業後、外資系の大手投資銀行で10年間働き、ポーカープレイヤーに転身した。会社員時代には年収2000万円以上あったという。

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 彼女は、なぜ安定した仕事と収入を手放すことにしたのか。どのような経緯でポーカープレイヤーになったのか。岡本さんに、生い立ちから現在に至るまでの話を聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く)

岡本詩菜さん ©志水隆/文藝春秋

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「誰かと競って一番になるのが好き」負けず嫌いだった子ども時代

――子どもの頃はどんなお子さんでしたか?

岡本詩菜さん(以下、岡本) とにかく負けず嫌いな子どもでした。運動神経が良い方で、特に徒競走では絶対1位になりたい、と思ってましたね。

――当時は走るのが好きだった?

岡本 いや、走るのが好き、というわけではなくて。誰かと競って一番になるのが、当時からすごく好きだったんです。

 そのときの自分が一番結果を出せるのが徒競走だったから、学校の大会だけでなく、地域の陸上競技大会にも自分で申し込んで参加していました。

「かなり成績が良い方でした」小学生のときから成績優秀だった

――習い事などはしていたんですか。

岡本 習い事はピアノとバイオリンをやっていました。でも、どちらも明確に順位が出るわけじゃないから、結局そこまで興味が湧かなくて、長くは続かなかったです。

 

――勉強はどうでしたか?

岡本 小学生のときは、地元の公立小学校でかなり成績が良い方でした。ただ、小学校5年生で日能研に入ってからは、上には上がいるんだなって気づいて。一番上のクラスには入れたけど、そのクラスでは頑張っても一番になれなかったですね。

 それでも、クラス分けや席順で明確に順位が分かる環境だったので、自分なりに頑張ってはいました。とにかく、負けず嫌いだったんです(笑)。