「常に楽しい」「好きなことでストレスを感じるって幸せ」退職してからの充実した生活
――退職してからの生活はどうですか?
岡本 常に楽しいです。試合に負けて、ネガティブな気持ちになることはもちろんあるけど、好きなことでストレスを感じるって、実はとっても幸せなことだと思っていて。
逃れようと思えばいつでもそのストレスから逃れられるのに、それでもやり続けているということは、よっぽど好きで楽しいことをやっている証拠じゃないですか。
――ポーカーのどんな部分が、岡本さんをそこまで惹きつけるのでしょうか?
岡本 ポーカーは、スキルとメンタルと運のバランスが絶妙なんです。いくら勉強してもきりがないくらい、奥が深い。それなのに、半分弱くらいは運で結果が左右されてしまう。自分にはどうにもできない要素があって、もどかしいからこそ楽しいんですよね。
「勘だけで勝負して、負けてしまう人が結構いる」ポーカーにおけるメンタルの重要性
――メンタルはどう関わってくるのですか?
岡本 ポーカーをしていると、多くの人が自分のメンタルが乱れていることに気づいていないな、と思う場面によく遭遇するんです。
例えばポーカーでは、オッズ(確率)によって次の手を判断しなければいけない場面があって、オッズの計算自体はそんなに難しくないんですよ。
でも、明らかにオッズが良くないのに「なんかいけそうな気がする」という勘だけで勝負して、負けてしまう人が結構いるんです。それって結局、メンタルの問題だと思うんですよね。
――メンタルが乱れているから、冷静な判断ができなくなると。
岡本 そうです。だから、自分の感情やメンタルの状態を客観的に判断できる人が、やっぱり強いですよね。もっと言えば、元々メンタルが安定している人は特に強い。
ただ、元々メンタルが安定していなくても、それを自覚して対処法を身につければ、戦えるようになります。
――岡本さんは自分のメンタルをどう分析しているのですか。
岡本 私はもともとすごくティルト(感情的になってプレーが乱れること)しやすいタイプなんですね。
でも、すぐティルトしてしまうのは自分に自信がないからだと思っているので、できるだけ勉強してプレイに対して自信を持てるようにしたり、そもそも自分が圧倒的にエッジを持って(有利な状況で)安心してプレイできるようなフィールドを選んでいます。
自分がティルトしやすいタイプだと認識できていることがまず大事だと思います。




