――日本ではポーカーをプレイしない?
岡本 JOPTという国内の大会のみ参加しています。
――SNSやYouTubeなどの影響で、最近はポーカーの認知度が高まっている印象があります。
岡本 そうですね。ポーカーのプレイ人口は多くなってますし、女性プレイヤーも少しずつ増えています。最近は「岡本さんの活躍を見てポーカーを始めました」と声をかけてくださる女性もいます。
それでも、まだまだ男性プレイヤーが圧倒的に多い世界なので、もっと女性が活躍できる環境になればいいな、と。私がそのきっかけの1つになれたら光栄ですね。
「◯◯で優勝したい」という目標を持たない理由
――WSOPレディース部門、3連覇への期待も高まっているかと思います。プレッシャーはありますか?
岡本 正直に言えば、全くないわけではありません。でも、「プレッシャーを感じる」ということは、「自分の実力だけで勝てる」と思い込んでいることになりますよね。それは、ポーカーの本質を理解していないことにつながると思うんです。
何度もお話ししているように、ポーカーの魅力は、どんなに努力しても運に左右される部分があること。その不確実性を受け入れ、楽しむことができなければ、本当の意味でポーカープレイヤーとは言えません。
だから私は、「3連覇を期待されてもプレッシャーにはならない」と答えられる自分でありたい。それが、ポーカーに対する私なりの敬意の示し方です。
――お話を聞いていて、岡本さんが「運」と向き合っているのがすごく伝わってきました。
岡本 ポーカーを始めてから、「運」という要素と向き合うようになりましたね。以前は「運なんて考えても仕方ない」と思っていたけど、今は日々の行動や心の持ち方が、巡り巡って運の良さにつながると感じています。
WSOPレディース部門で2連覇できたのも、半分は運のおかげです。裏を返せば、私はそれだけ運に恵まれているのかもしれない。だったらなおさら、その運の良さを無駄にしないよう、努力を続けていかなきゃいけないと思っています。
――努力を続けた先の目標は?
岡本 運の要素が大きいので、「◯◯で優勝したい」のように結果に対して目標を持つことは基本的にはないです。あえて言うなら、将来的には、参加費が数百万円を超える「トリトン」のような超ハイレベルな大会でも勝負できる実力をつけたいですね。それにはまだまだ研鑽が必要なので、口にするのは恥ずかしいんですけど(笑)。
撮影=志水隆/文藝春秋
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