――とはいえ、試合中はメンタルが乱れることもあるかと思います。どうコントロールしているのでしょうか。
岡本 メンタルが乱れそうになったら、原因を一旦メモに書き出して、「私、これでイライラしているんだな」って客観的に見るようにしています。それをするだけでも、ちょっと落ち着きますね。
ポーカーって、自分がプレイに参加するのはゲーム全体の10~20%くらいの時間なんです。私は残りの時間を使ってメンタルを整えたり、他の人の戦略を観察したりしています。
「伝説を作った」という声も…ポーカーの世界大会で2連覇した時の心境
――そういう行動がWSOPのレディース部門の2連覇につながっているんですね。優勝した時の心境はどうでしたか?
岡本 嬉しかったけど、手放しに「自分頑張ったな」とは思えなかったですね。先ほども話したように、ポーカーの勝敗は、半分は「運」が決めるので。だから、「運が味方してくれた」というのを忘れないようにしています。
――運の要素が強いという意味では、2連覇はかなりすごいことなのでは?
岡本 そうなんです。2連覇って、1回優勝することの何十倍、何百倍とすごいことなんですよ。例えば、1000人規模のトーナメントで優勝する確率は、単純計算で1000分の1ですよね。それを2回連続でやるということは、確率論でいうと100万分の1の出来事です。いくらスキルと経験を積んだところで、その確率を少ししか高めることができません。
だから今回の2連覇は、ポーカー界では「伝説を作った」と言われているんです。実際に、WSOPの会場を歩いていると「あなたがあの岡本さんだよね?」とよく声をかけられます。世界のポーカープレイヤーは、運の強さも含めて私を評価してくれてるのを感じますね。
WSOP Ladies連覇!!
— Shiina Okamoto / 岡本詩菜 (@shiina_pkr) June 30, 2025
2023年🥈
2024年🥇
2025年🥇←NEW!!
伝説作りました。
第3章完結です。 https://t.co/P3vElfy9mw pic.twitter.com/Qfvaj2TWKq
「まだまだ男性プレイヤーが圧倒的に多い世界」
――現在は海外と日本を行き来する生活を送っているそうですね。
岡本 年間の半分以上は海外にいます。世界各地でトーナメントが開催されているので、そのスケジュールに合わせて移動して、大会がない時期に日本に帰ってくる生活ですね。
最近は日本での仕事も増えたのであまり時間を確保できないですが、できるだけ日本にいる時は勉強をするようにしています。実はプレイするより勉強することの方が圧倒的に好きです。



