少年を殺した犯人は…

 事件から3日後の同年1月6日、トーマス・グリフィス(同13歳)、イルファン・フセイン(同14歳)がオリー殺害容疑で逮捕される。2人は犯行を素直に自供し、事件に至る経緯を次のとおり語った。

 2020年12月、いじめ動画の件を家族に知らされ注意を受けたトーマスとイルファンはオリーに激しい憎悪を抱く。そして3人はスナップチャットで互いに罵り合う。

「おまえ、よくも俺の兄貴にチクりやがったな」「それの何が悪いんだよ。いじめをしているおまえらが悪いんだろ」。こうしたやり取りはSNS上のスレッドに残っており、誰もが閲覧可能だった。

ADVERTISEMENT

 いくら責め立てても毅然とした態度を崩さないオリーに、加害少年2人の怒りはさらにエスカレートし殺害計画を立てるまでに至る。彼らが最初に取った行動は見ず知らずのオリーをおびき寄せるため、同じ年頃の可愛い少女を探すことだった。そこでスナップチャットに「オリー・スティーブンスって中学生、知っている人いる?」と投稿。これに反応してきた中の1人がオリーとも顔見知りのオリビアだった。

 2人は詳しい経緯を彼女に打ち明け依頼する。復讐に協力してくれないか? 殺害するつもりでいることも全て話し、当然、彼女は拒否するだろうと思われた。

 しかし、オリビアの返事は意外にもイエス。オリーに恨みはないが、「なんか面白そう」という単なる興味本位だった。以降、3人はオンラインで詳しい計画を練る。何百回ものやり取りが音声メモに残されていることにもお構いなしだった。