〈あらすじ〉

 かつては革命組織の一員として過激な活動を繰り返してきたボブ(レオナルド・ディカプリオ)。現在は16歳となった愛娘のウィラ(チェイス・インフィニティ)と、平凡だが冴えない日々を送っている。カリスマ革命家だった妻(タヤナ・テイラー)は娘を産んだ後、すぐに姿を消していた。

 ところが、その妻と浅からぬ因縁のある軍人ロックジョー(ショーン・ペン)がある日、部隊をともなって2人を急襲。状況が把握できないながらも攫われた娘を助けるべく、ボブは立ち上がる……が、長い年月の間にすっかりなまってしまった身体も感覚も、頼りないことこのうえない。ひとまずウィラが通う空手道場の“センセイ”(ベニチオ・デル・トロ)に助けを求めるが――。

〈見どころ〉

 荒野を舞台とした迫力ある逃走劇もさることながら、テンパる親バカ元革命家、異常な執着で迫りくる変態軍人、飄々とナイスアシストを繰り出し続ける謎の空手家。癖のありすぎるキャラを演じる名優アンサンブルは必見!

元革命家の父は、変態軍人から最愛のひとり娘を守れるのか!?

カンヌ、べネチア、ベルリンの世界三大映画祭を唯一制覇したポール・トーマス・アンダーソン監督による最新作は、逃げるレオナルド・ディカプリオ、追うショーン・ペンによる怒濤のチェイスバトル。公開前からオスカー大本命!と業界騒然の話題作。

©2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. 配給:ワーナー・ブラザース映画
  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★★めざましい映画的剛腕に息を呑んだ。短距離走の爆発力でマラソンを駆け抜ける印象。クレイジーで眼と耳に快く、笑えて胸に沁みる。波打つブラインド・ヒルの場面は前人未到の映像。いま古典と認定されてもおかしくない。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★★脚本が秀逸。演出には魔力が。出演者たちは、裏と表のシニカルでユーモラスな人間味を噴出。父の愛がどんなに面倒でも、絶対に必要とわかる瞬間の幸せを与えてくれる物語。反骨精神を隠せるセンセイが実在することを祈る。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★何回でも「最高!」と叫びたい。役者も絶品だし、演出の地肩の強さや呼吸の深さが格別。巻き込まれ型スリラー、ドタバタ喜劇、政治風刺……あらゆるジャンルをぶっとく連結した大活劇。映画の愉楽そのものがここにある。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★どの世代も何かを求め何かと闘う世の中に、まさに“次から次へ戦い”続けるコミカルな革命寓話。ICE検挙の時代にトマス・ピンチョン原作からの着想を新たに更新。丘陵地帯のカーチェイス! そそる音楽! 映画の魔法を堪能。

  • 今月のゲスト
    柳亭小痴楽(落語家)

    ★★★★☆多少長尺に感じたけど、ディカプリオの気が抜けた父親ぶりやペンの変質者ぶりが秀逸! シリアスな内容の中に空気感を壊さない小ボケがハマっていて場面転換が絶妙! 次々と、どうなる?どうなる?と思わせる展開が良い!

    りゅうていこちらく/1988年、東京都生まれ。落語家。若手真打の一人としてメディアでも活躍中。NHKラジオ第1『小痴楽の楽屋ぞめき』(毎週日曜13:05〜)メインパーソナリティー。また著書に『令和の江戸っ子まくら集』などがある。

  • 最高!今すぐ劇場へ!★★★★★
  • おすすめできます♪★★★★☆
  • 見て損はない。★★★☆☆
  • 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
  • うーん……。★☆☆☆☆
タフな軍人の役なのに、「こんなに気持ち悪いショーン・ペンは見たことがない」と思うほどの怪演。実は、ある重要な目的のためにボブたちを狙っているのだが……。
©2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. 配給:ワーナー・ブラザース映画
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『ワン・バトル・アフター・アナザー』
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
2025年/米/原題:One Battle After Another/162分
10月3日(金)~
https://wwws.warnerbros.co.jp/onebattlemovie/index.html