妹をかばった理由は…
「私は妹を守ろうとしたのです。私はすでに死にかけていたので、自分が間違ったことをしているとは思っていませんでした。
私は人生を諦めかけていました。殺人罪で死刑に処せられると言われ始めた時、親切にされているようにも感じました」
バルデスもHLN(CNNが所有しているケーブルテレビ局)の番組でこう話している。
「マイラは当時、もう長くは生きられないと思っていたんです。実際、彼女はあとどれくらい生きられるかわからない状態でした。しかし、将来がある甥や姪にはまだこれから母親が必要だと思った。それで、妹の罪を被ったんです」
しかし、ジェイミーはエリセオが亡くなった後も、他の我が子の虐待を続けていた。その状況を見かねたマイラは決断をする。公判で、ジェイミーを守るために話を捏造したと明かしたのだ。
ジェイミーがエリセオを放置し、日常的に虐待を行っていたと真実を述べた。証拠も用意した。バルデスの協力の下、妹とのやりとりを録音した。
その中で、ジェイミーは、マイラが真実を証言したことを責めたという。バルデスは録音された会話についてこう話している。
「責められたマイラはジェイミーに『私はあなたがヘアブラシで(エリセオの)頭を殴ったことは話さなかったわ』と言いました。ロジカルな人間ならそこで『私はそんなことはしなかったわ』と返すでしょうが、ジェイミーは否定しなかったんです」
真実が明らかにされるタイミングで、ジェイミーは逃亡。2年半の逃亡生活の後、2010年5月、メキシコからテキサス州に戻ってきて2日後に殺人罪で起訴され、懲役15年の量刑を受けた。
妹の子供たちの存在が減量のモチベーションに
真実を明かしたマイラは、新たな一歩を踏み出す。減量に挑戦する決意をしたのだ。その理由について、減量に成功後、マイラは米国の人気番組The Viewに出演し、こう話している。
「妹の子供たちの存在があったからです。今は、子供たちは私の父母が世話をしていますが、妹は出所できたとしても、子供たちのそばにいることはできません。だから、私が子供たちのお世話をしたいのです。今、子供たちを養子にする手続きをしているところです」
この身体のままでは子供たちの世話はできない。子供たちがマイラに減量を決意させたのだ。
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マイラが挑んだ“史上最大級”といえるダイエットの全貌とは——。その詳細は後編で紹介する。
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